ブラジルで予選ポールポジションを獲得し喜ぶホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクター
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F1無料配信:ホンダ、支配的な速さで28年ぶりの1-2…2019年ブラジルGP

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F1は、1991年の日本GP以来、ホンダが28年ぶりに1-2フィニッシュを飾った2019年シーズンの第20戦ブラジルGPの決勝レースを、5月30日(土)協定世界時14時、日本時間23時から公式サイトやFacebook、YouTubeチャンネルを通して無料でストリーミング配信する。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行の影響でイベント中断を強いられる中、F1は世界中のモータースポーツファンに向けて70年の歴史の中でも特に名勝負と高く評価されるレースを無料配信している。今回はホンダエンジンが支配的な速さを見せつけた2019年のインテルラゴス・サーキットでのレースだ。

パルクフェルメしたマシンから飛び降りるマックス・フェルスタッペン、2019年F1ブラジルGP決勝レースにて
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インテルラゴスは標高800mと空気が薄い事に加えて、1.2kmを超える長さの上り坂のストレート区間があるためパワーユニットの性能が試される。1.6リッターV6ハイブリッド・ターボエンジンが導入された2014年以降、ブラジルでのポールはメルセデスが独占し続けてきたが、この年はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが最速を刻んだ。

予選後の会見では、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がホンダの速さに言及。不正行為をしているのでは?とジョークを飛ばしながらも、驚きを隠さなかった。ルイス・ハミルトン(メルセデス)は、ホンダのストレートでのゲインに言及し「彼らの方がより多くのエンジンパワーを持っている。標高の高さに秘密があるのかもしれないけど、そのパワーがどこから来てるのかは皆目検討がつかない」と発言した。

そして迎えた決勝レース。チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温21℃、路面49.1℃、湿度60.9%のドライコンディションで開始され、フェルスタッペンは完璧なスタートを切ってホールショットを守り、その後は立て続けにファステストラップを連発して後続とのギャップを築いていった。

ピットタイミングの関係で一時ラップリーダーの座をハミルトンに譲ったが、すぐさまコース上でオーバーテイクしポジションを奪取。敵なしのパフォーマンスでレースを支配した。

レースが動いたのは52周目。4番手争いを繰り広げていたバルテリ・ボッタスが油圧を失い白煙を吐いてリタイヤを喫した。残り12周でリスタートを迎えるも、今度はフェラーリの2台がバックストレートで同士討ち。シャルル・ルクレールとベッテルがクルマを下りた。

2度目のセーフティーカー導入を経てレースが残り2周で再開されると、ホンダの1-2-3体制に対してハミルトンが反撃を開始。ピエール・ガスリー(トロロッソ)を抜き去り表彰台圏内にカムバックした。だが、その後のインフィールドでアレックス・アルボン(レッドブル)に仕掛けた際に接触。ハミルトンは生き残ったが、アルボンは最後尾に転落した。

予期せぬインシデントによって2番手に浮上したガスリーは、ハミルトンと壮絶なパワー勝負を繰り広げ、6度の世界王者を相手に1000分の62秒という僅差で競り勝ち、フェルスタッペンに次ぐ2位表彰台を手にした。

キャリア初のポディウムにガスリーは「ホンダの改善がなければ、メルセデスを抑えて2位を獲得するなんて不可能だった。本当に常軌を逸していた。今日の僕らはただただ、ホンダに対して感謝を伝え、おめでとうを言わなきゃならない」と語った。

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