レッドブルらF1チーム、コロナウイルス支援として人工呼吸器の供給増に協力

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マクラーレンのチームスタッフが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)検査で陽性反応を示した事で開幕オーストラリアGPは中止され、連鎖的にモナコGPまでの序盤7戦が延期発表される中、英国を拠点とするレッドブル・ホンダ等のF1チームが、保険当局と協力して人工呼吸器の供給量増加のために一肌脱ごうとしている。

世界的流行をみせる新型肺炎は重症化すると呼吸困難に陥るため人工呼吸器が必要となるものの、感染者数の飛躍的な増加に伴って、防護マスクや手袋と同じ様に世界各国で供給不足に陥る地域が出始めている。F1チームの7割が本拠を構える英国も例外ではなく、19日現在で累計2,692人の感染者と137人の死者を出している。

イギリスを始めとするF1チームの大半は、人工呼吸器の生産量を増やすために自社の技術設備を活用する方法を模索している。このトピックは18日(水)に行われたF1のマーケティング担当者とチーム間との電話会議で議論された。

シーズン全体の3分の1に相当するグランプリが事実上の中止状態にあるため、高度なエンジニアリング施設を備えているにも関わらず、F1チームのファクトリーはそのポテンシャルを活かせていない。F1の広報担当者は「F1コミュニティは、この問題に関してあらゆる関係者と議論を重ねており、今後さらに詳細な情報を提供する予定だ」と話している。

確かにマクラーレンやレッドブル、ウィリアムズやメルセデス、フェラーリのように、人工呼吸器の国内生産能力に寄与できるだけの応用技術部門を持っているチームもあるが、いずれもF1マシンというワンオフものに特化した設備であるため、具体的にどのような形での貢献を目指しているのかについては分かりかねる部分がある。

BBCの報道によるとF1とF1チームは来週中にも、呼吸困難患者の増加に対する具体的なアプローチを明らかにする見通しだという。

スクーデリア・フェラーリとマラネロの市販車事業を所有するイタリアの名門財閥アニェッリ家は、コロナウイルス対策への支援として1000万ユーロ(約11億7,467万円)をイタリア市民保護局及び社会援助団体のスペッキオ・デイ・テンピ/ラスタンパに寄付すると共に、イタリア国内に人工呼吸器を150台追加空輸する等の支援を行っている