F1カタールGP: タイヤ戦略考とペナ適用後のグリッド、気象条件
日本時間12月1日(日)25時にスタートを迎える2024年F1第23戦カタールGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動、予想されるタイヤ戦略と気象条件について見ていこう。
スターティンググリッド
予選Q3で「不必要に低速で走行」したとして、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に異例の1グリッド降格ペナルティが科されたため、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がポールポジションに着く。
コンストラクターズ選手権タイトルを争うマクラーレンとフェラーリはそれぞれ、2列目と3列目に並ぶ。
なお、ロサイル・インターナショナル・サーキットは周囲を砂漠に囲まれているため、レーシングラインから離れた偶数列グリッドのドライバー達は、スタート時に厳しい状況に直面する可能性がある。
以下は暫定スターティンググリッド。正式版との差異が発生した場合は更新される。予選結果からの変動値を合わせて記す。
Pos | Driver | Team | Qualifying |
---|---|---|---|
1 | G.ラッセル | メルセデス | 2(+1) |
2 | M.フェルスタッペン | レッドブル | 1(-1) |
3 | L.ノリス | マクラーレン | 3(-) |
4 | O.ピアストリ | マクラーレン | 4(-) |
5 | C.ルクレール | フェラーリ | 5(-) |
6 | L.ハミルトン | メルセデス | 6(-) |
7 | C.サインツ | フェラーリ | 7(-) |
8 | F.アロンソ | アストンマーチン | 8(-) |
9 | S.ペレス | レッドブル | 9(-) |
10 | K.マグヌッセン | ハース | 10(-) |
11 | P.ガスリー | アルピーヌ | 11(-) |
12 | 周冠宇 | ザウバー | 12(-) |
13 | V.ボッタス | ザウバー | 13(-) |
14 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 14(-) |
15 | L.ストロール | アストンマーチン | 15(-) |
16 | A.アルボン | ウィリアムズ | 16(-) |
17 | L.ローソン | RB ホンダRBPT | 17(-) |
18 | N.ヒュルケンベルグ | ハース | 18(-) |
19 | F.コラピント | ウィリアムズ | 19(-) |
20 | E.オコン | アルピーヌ | 20(-) |
レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。
想定される最速タイヤ戦略
昨年のカタールGPでは、高速セクターと悪名高いピラミッド型縁石の組み合わせがタイヤに安全上の懸念を引き起こし、レースコントロールによる事実上の3ストップ戦略が義務付けられる異例の展開となった。
だが、今年は昨年より遅い時期に開催されているため気温が低く、路面のグリップは遥かに向上しており、状況は大きく異なる。
土曜のスプリントを通じて、ミディアムタイヤのデグラデーションがかなり低いことが確認され、また、摩耗やグレイニングの兆候はあったものの深刻なレベルに達していなかったことから、1ストップ戦略が現実的な選択肢として浮上している。
ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「スタートタイヤはミディアムが最有力で、16~24周目の間にハードタイヤに交換するのが基本的な戦略となるだろう」と語った。
一方で、フェラーリとウィリアムズを除く全てのチームは、ハードタイヤを2セット温存しており、2ストップ戦略も現実的だ。
「2ストップ戦略を検討する場合、序盤にソフトタイヤの高いパフォーマンスを活かし、その後ハードを2セット、もしくはハード1セットとミディアム1セットで繋ぐ選択肢も考えられる」とイゾラは指摘した。
上記の画像を見て分かるように、スタートの基本はミディアムと予想されているが、追い抜きが難しいロサイルでは、角田裕毅を含むRB勢やニコ・ヒュルケンベルグ(18位)などの後方組にとっては特に、リバース戦略(ハード>ミディアム)が効果的に機能する可能性もある。
気になる天気は…
1年を通して現地ドーハは殆ど雨が振らず、ドライレースが予想されるが、最大風速40km/hの突風が予想されているため、砂漠の砂がグリップとマシンバランスに影響を与える恐れがある。