F1、シャットダウンを大幅延長…開幕準備不足が懸念される場合も
F1と国際自動車連盟(FIA)は28日(火)、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックを受けて、既報の通り、参戦チーム及びパワーユニットメーカーに対するシャットダウン期間を更に延長すると発表した。
チームに対するファクトリーの強制閉鎖期間は35日間から63日間へと延長された。シャットダウン開始から51日以降であれば、リードタイムが長い(着手してから全工程完成までの所要期間が長い)プロジェクトに対して、最大10名の人員をリモート作業に宛がう事が許可される。
ただし空力関連の開発は除外され、作業開始の10日前までに作業従事者の氏名や役職、補足資料や作業内容などを記した書面をFIAに提出して予め承認を得る必要がある。
ホンダを含むエンジンメーカーへの操業停止期間は35日から49日に延長された。シャットダウン開始から37日以降であれば、上記のチーム向けの特例と同様に書面によるFIAの事前承認を得た上で、リードタイムが長いプロジェクトに対して最大10名の人員をリモート作業に従事させる事が許可される。
早期にシャットダウンの消化に着手したイタリア系チームは5月末頃にファクトリーでの作業を再開する見通しだが、遅れてファクトリーを閉鎖した一部のチームについては、6月上旬まで操業停止状態が続くことになる。
レッドブルとアルファタウリにPUを供給するホンダのグレアム・スミス物流マネージャーは「オーストラリアではパワーユニットを一切使っていないため、物流面においては、仮にフライアウェイ戦であったとしても5日以内で準備できる」としており、エンジンが足かせとなる可能性は低そうだが、幾つかのチームはシーズン開始に向けての準備に4~5週間必要だと明かしている。
新型肺炎を巡る情勢は非常に流動的であるため、グランプリに向けての準備が思わぬところで足を引っ張られる可能性もあり、ファクトリーの再開時期がリミットギリギリとなるチームが出てくる可能性もあり得る。
F1はオーストリアを本拠とするレッドブルの全面的な協力を得ながら、7月頭に予定されているレッドブル・リンクでのオーストリアGPでシーズンを開幕させる事を目指している。