プラクティスに向けて準備するフェリペ・マッサ、2018年8月4日(土) ブラジル・ストックカーシリーズ第6戦(ゴイアニア、ブラジル)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

再三の期限延期を要求するF1とFIA、フェリペ・マッサのタイトル奪還訴訟で

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フェリペ・マッサの弁護団によるとFIAとフォーミュラ・ワン・マネジメント(FOM)は、2008年のF1ドライバーズタイトルを巡る訴訟通告書に対する返答期限を再度、延期するよう要求した。

マッサ陣営は当初、14日以内の返答を求めていたが両組織からの要求を受け9月8日、10月12日と延期し、これが更に11月15日まで延期される事となった。

マッサの弁護人、ベルナルド・ヴィアナは「FIAとFOMは内部調査を完了しつつあり、当初求めていた期限を10月12日から11月15日に延長するよう要請した」と述べた。

「新たな運営陣が本当に誠意を以てこの問題を調査しているのであれば、我々や世界中の多くの人々と同じ結論に達することは間違いないと考え、この最終期限に合意した」

「我々は、最近明らかになったスキャンダルとフェリペ・マッサが直面している不正義について、F1の新しい指導者たちがどのような立場を取るのか知りたいと思っている」

15年前、ルノー首脳陣の指示を受けネルソン・ピケJr.が故意にクラッシュした事でマッサ(当時フェラーリ所属)は1点差で初のチャンピオン獲得を逃した。このレースが選手権から除外、あるいは事故発生前の時点の順位がリザルトとして認定されていれば、王座はルイス・ハミルトンではなくマッサのものだった。

当時のF1を率いていたバーニー・エクレストンが今春、自身と当時のFIA会長マックス・モズレーは、2008年中にクラッシュゲートの真相を知りながらも、それを隠蔽していたと認めた事を受けマッサは、「公正性、つまりワールドチャンピオンシップを取り戻す」ために今年8月、FIAとFOMを相手取って訴訟手続を開始した。

マッサは英国ロンドンの弁護士事務所「Enyo Law」を代理人として、8月15日にF1のステファノ・ドメニカリCEO及び、FIAのモハメド・ベン・スレイエム会長宛てに訴訟の意思を通告する書簡「Letter Before Claim」を送付した。

再審査請求権が既に失効しているためタイトル奪還は不可能との見方が多いが、ヴィアナは「今ある証拠にかなりの自信を持っている」としている。