カタロニア・サーキットのグリッド上を並んだ歩くF1ドライバー達
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F1、コロナウイルスの影響で2020年開幕の目処立たず…最高経営責任者認める

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F1のチェイス・ケアリー最高経営責任者は「現時点では具体的な答えを出す事が出来ない」と述べ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るう中、2020年シーズンの開幕の目処が立っていない事を認めた。

例年のように今季もまた、オーストラリアがシーズン開幕を告げるはずであったが、初日フリー走行を前にマクラーレンのチームスタッフに陽性反応が出た事で中止となり、これをきっかけとしてバーレーンとベトナムの延期が連鎖的に発表された。

F1のスポーティング・ディレクターを務めるロス・ブラウンは、8月のサマーブレイクを活用することで少なくとも17戦を確保できると主張し、今シーズンに楽観的な姿勢を示しているものの、各種データは今シーズンが開幕を迎える事なく終わる可能性があることを示している。

ケアリーCEOは17日(火)に「親愛なるF1ファンの皆さん」との書き出しで始まる次の声明を発表し、現時点では2020年シーズンの開幕の目処が立っていない事を認めた。

「コロナウイルスの大流行への対処に際しての先週の件について幾つかお伝えしたい。何よりもまず我々は、ファン、チーム、F1の組織、そして社会全体の健康と安全を優先している」

「2020年シーズンのF1が次にどうなるのかを誰もが知りたがっていることは承知しているが、現在も状況が刻一刻と変化している事を踏まえると、現時点では具体的な答えを出す事が出来ない」

「だが安全が確認され次第、2020年のチャンピオンシップシーズンを開始する予定だ。我々は今後数ヶ月に渡って、専門家や当局者と日々連絡を取り合いながらどうすべきかを検討していく」

複雑に絡み合った契約事とこれを巡る莫大な金額の違約金を思えば、中止というたった二文字の決定を下すことがどれほど困難かは想像に難くないが、胸を高鳴らせて現地へと赴いたファンへの仕打ちは目に余るものだった。

既に内々には中止が確定してるにも関わらず遅々として発表が行われなかったがために、オーストラリアではF1を心から愛する多くのファンが、決して開くことのないゲートの前で朝早くから開門の時を待ち続けていた。ケアリーCEOはファンに謝罪した。

「オーストラリアGPの開催中止や、他の延期されたグランプリによって影響を受けたファンの皆様には申し訳なく思っている。これらの決定は急速に変化する状況の中で、フォーミュラ1、FIA、そして地元プロモーターによって決断された事だが、我々はこれらの決断が正しいものであり、必要なものであったと信じている」

「皆さんのご支援とご理解に感謝すると共に、健勝を願って止まない」