F1中国GP:スプリント予選最速者に「ピレリのピレリによるピレリのためのトロフィー」贈呈へ

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F1の公式タイヤサプライヤーであるピレリは、今週末に上海インターナショナル・サーキットで開催される第2戦中国GPに向けて、スプリント予選最速タイムを記録したドライバーに贈られる特製トロフィーを公開した。

そのデザインは誰もがひと目見ただけで「まんまピレリ」と頷くであろうほどにピレリ推しで、まるで「トロフィーなのかピレリなのか、ピレリなのかトロフィーなのか……」と哲学的な思考に陥りそう?な個性的な仕上がりだ。

今年の中国GPは、2025年シーズンで初めてのスプリントフォーマットが採用される週末となる。1時間のフリー走行に続き、スプリント予選が行われ、その結果が土曜に開催されるスプリントレースのグリッドを決定する。

“ピレリ愛”が溢れるデザイン

トロフィーのデザインは、タイヤメーカーの誇りをこれでもかと詰め込んだ「ピレリのピレリによるピレリのためのデザイン」となっている。

ピレリがデザインした2025年のF1中国GPスプリント・ポールシッターに贈られる特製トロフィーCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ピレリがデザインした2025年のF1中国GPスプリント・ポールシッターに贈られる特製トロフィー

トロフィー最上部はピレリF1タイヤを模した黒い円筒形で、上部には「P ZERO」の文字が赤いラインと共に描かれている。手にした者は、ピレリ最速のコンパウンド、ソフトタイヤの”超高グリップ”を直に感じることができるはずだ。だが、それはあまり長くは保たないかもしれない。デグには要注意だ。

中央部分には、お馴染みの黄色×赤色のピレリロゴが堂々と配置され、タイヤと同じくらいの存在感を放つ。その下には立体的な表現で「500GP」のタイポグラフィが施されている。これはピレリが今年のオランダGPでグランプリ参戦500戦の節目を迎えることによる。

土台部分だけはピレリとは無関係のようで、このメタリックな質感の円形状には「Shanghai Grand Prix 2025 – Fastest Qualifying Award」との刻印が施されている。勝者の誇りをしっかりと刻み込む仕様のようだ。

特別仕様のポディウムキャップも登場

またピレリは、表彰台に登るドライバーに贈られる特別仕様のポディウムキャップも発表した。このキャップは、著名なデザイナー、デニス・デコヴィッチによってデザインされた。

ピレリがデザインした2025年のF1中国GP表彰台登壇者に贈られる特製ポディウム・キャップCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

ピレリがデザインした2025年のF1中国GP表彰台登壇者に贈られる特製ポディウム・キャップ

ピレリは2025年シーズンを通して、F1開催国ごとに異なるデザインのキャップを制作するという粋な計らいを計画している。

スプリント予選用トロフィーは完全にピレリ推しだが、中国GPのポディウム・キャップには、同国の伝統と文化にインスパイアされた赤を基調としたデザインが採用された。

トロフィーを手にするのは誰か?

2021年のスプリントレース導入以来、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は全18回のスプリント予選のうち9回でポールポジションを獲得しており、今回も有力候補と見られる。

一方で、先週末の開幕オーストラリアGPでは、マクラーレンが圧倒的な競争力を発揮。予選でフロントロウ独占を果たし、レースでもランド・ノリスがポール・トゥ・ウインを飾った。

このサーキットの最多勝利記録を保持するのはルイス・ハミルトン(フェラーリ)。6勝を挙げており、表彰台登壇回数も最多の9回を誇る。

現役F1ドライバーの中で中国GPでの優勝経験があるのは、ハミルトンを除くとフェルナンド・アロンソ(2005年、2013年)とフェルスタッペン(2024年)の2人だけだ。

コンストラクター別ではメルセデスが6勝を挙げて最多。フェラーリは4勝ながら、表彰台回数では13回とメルセデス(12回)の成績を上回る。

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