超小型のサイドポッドを備えたメルセデスW13、2022年3月10日F1バーレーンテスト初日にて (1)
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F1バーレーンテスト開幕!溶け落ちたメルセデスのサイドポッド、出し惜しみ? ”後日”に備えるレッドブル

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2022年最後のプレシーズン・テストが3月10日(木)にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開幕を迎え、90分が経過した。フェラーリF1-75を駆るシャルル・ルクレールが暫定トップに立った。

2番手はレッドブル・レーシングRB18をドライブするセルジオ・ペレス。3番手にはアストンマーチンAMR22に乗り込んだセバスチャン・ベッテルが続く。各車はフロービズやエアロレイクを装着してデータ取りに取り組む。

2022F1バーレーンテスト初日90分経過時点
Pos Driver Team Laps Time Gap Tyre
1 シャルル・ルクレール フェラーリ 16 1:35.953 0.000 C4
2 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 15 1:36.637 0.684 C2
3 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 11 1:37.794 1.841 C2
4 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 11 1:37.852 1.899 C2
5 セルジオ・ペレス レッドブル 17 1:37.950 1.997 C2
6 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 23 1:38.675 2.722 C3
7 ピエール・ガスリー アルファタウリ 17 1:40.366 4.413 C4
8 ルイス・ハミルトン メルセデス 21 1:40.498 4.545 C2
9 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 5

マクラーレンは体調不良を訴えたダニエル・リカルドに代えて、ランド・ノリスがMCL36に乗り込んでいるが、1時間半経過の現時点では5周を消化したのみでラップタイムを残していない。

バルセロナテストから2週間。パドックで最も大きな注目を集めているのは、ボディーに溶け込むような目新しい斬新なサイドポッドを持ち込んだメルセデスW13だ。

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一見するとサイドポッド自体がないように見えるため、外観上のインパクトはすこぶる大きい。”ない”というよりは、溶け落ちてフロアに垂れたような形状だ。

ただ、アップグレードはサイドポンツーンに留まらず、フロアやフロントウイング、リアビューミラーも全く異る仕様が持ち込まれており、2週間前とは別のマシンと言って差し支えないほどだ。

超小型のサイドポッドを備えたメルセデスW13、2022年3月10日F1バーレーンテスト初日にて (2)copyright Daimler AG

超小型のサイドポッドを備えたメルセデスW13、2022年3月10日F1バーレーンテスト初日にて (2)

なお、アンダーフロアへの気流が遮断される事で車体が上下に激しく振動するポーパシング現象(バウンシング)は今のところ、依然としてメルセデスを含む一部チームの課題であるように見受けられる。

衝撃サイドポッドに騒然、違法との声も

シルバーアロー同様、レッドブルもRB18に大規模なアップグレードを持ち込むのではとみられていたが、”少なくとも初日”の現時点では”外観”上に目立った違いは見て取れない。

独AMuSによると新しい開発パーツについてエイドリアン・ニューウェイは、2日目以降に投入される予定だと語った。

ハースはオーナーのジーン・ハースが所有するCNC工作機械メーカー、ハース・オートメーションのブランディングが施された新たなカラーリングのVF-22をお披露目した。

貨物機の遅延により午前のセッション開始には間に合わなかったが、チームは第2セッション開始の現地15時までに作業を終える見込みだと説明しており、午後は予定通りピエトロ・フィッティパルディが走行する見通しだ。

なお今日は走行が予定されていないもの、ガレージ内には古巣での2年ぶりのF1復帰が決まり、目新しいレーシングスーツを着用したケビン・マグヌッセンの姿があった。

アルファロメオはバルセロナでの迷彩リバリーを経て、伝統的な赤と白の正規カラーを施したC42を持ち込んだ。今季唯一のF1ルーキー、周冠宇はタイムシートの6番手につけている。

角田裕毅が「コース外でも凄くリスペクトできる」と称えるベッテルは、ヘルメットに反戦メッセージを掲げて困窮するウクライナの人々への支持を強調。午後の僚友ランス・ストロールとの交代に向け、精力的に周回を重ねている。

午前のセッションは4時間に渡って行われる。