メルセデスの”衝撃サイドポッド”に話題騒然、違法とうそぶくレッドブルF1代表?
メルセデスがF1バーレーンテストに投入したアップデート版のサイドポッド(サイドポンツーン)が話題だ。事前に噂されていた通り、劇的に横幅が狭いセンセーショナルなデザインに変更された。
横幅があった従来スペックと比較して、新型のラジエーター開口部は縦長の三角形状に変更され、ハウジングの下部はフロアに向かって溶け落ちたようなフォルムへと変貌した。
サイドポッド内部には冷却系が格納されている。この超絶タイトなサイドポッドは冷却系のレイアウト変更の表れなのだろうか。
見た目のインパクトは大きいが、重要なのはこれがパフォーマンス向上をもたらすか否かだ。結局のところサイドポッドとフロアの最適解は、如何にフロア前部のベンチュリートンネルに多くの空気を流し、それをディフューザーから高速で引き出すかが焦点となるため、個々単体で語る事はできない。
いずれにせよ、英国ブリックスワースのエンジニア達が作り上げたこのセンセーショナルな設計はパドックの住人たちを大いに沸かせている。
一部ではバルセロナ仕様とは別バージョンだとして「W13B」なるワードが飛び交う新型メルセデスについてF1のスポーティング・ディレクターを務めるロス・ブラウンは、予想外のソリューションだと指摘した。
「印象的だし、これこそがF1が持つ革新性の素晴らしいところだ」とブラウン。
「これに関しては恐らく、多くの議論が交わされる事になるだろう。誰もが厳しすぎると不満を口にしていたルールに対し、全員が全く異なる解決策を考え出したのだからね」
「正直なところ、我々としては想像だにしていなかった解決策も見受けられる。これらに関しては、導入された新しいルールの目的に沿ったものかを確認するために調査する事になるだろう」
斬新なアイデア故か、その合法性を疑問視する既に声も上がっている。
昨年、トト・ウォルフ代表を激しい舌戦を繰り広げたレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は独AMuSとのインタビューの中で「新しいメルセデスはレギュレーションの精神に反している。幾つかのパーツは合法ではないように見える」と語った。
なお技術部門を統括するエイドリアン・ニューウェイは、ホーナーの見解について「クルマの写真を見てみないと分からない」と答えた。
これに対してウォルフは「初めて目の当たりしてから30分という段階で、どうして我々のクルマが違法であるはずだと分かるだろうか?」と一蹴した。
これに関してレッドブルは「クリスチャン・ホーナーはメルセデスのマシンに関して如何なるインタビューも受けていない」として、チームの指揮官が語ったとされる発言は全て「間違っている」との声明を出したが、AMuSは、ホーナーの発言は事実だと強調している。
メルセデスのサイドポッドがレギュレーションに適合しているのか否かは分からないが、原則的には規定寸法内に収まってる限り問題視される事はないように思われる。
実際ロス・ブラウンは調査を口にしながらも「第一印象としては過度に心配するようなことは何もないように思う。(FIAの)ルール監督は何が行われているかを把握しているし、現時点で彼らは特に問題があるとは考えていない」と語った。
ただその一方で「FIAが考えつかないような異論を唱えてくるチームがあるかもしれない。そうなると問題が生じる」とも付け加えた。