F1、2021年導入予定の新技術レギュレーション延期を決定…車体開発を凍結
F1は3月19日(木)にチーム代表らとの電話会議を行い、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行に伴う経済危機に対して、2021年に予定されていたテクニカル・レギュレーションの導入を1年後ろ倒しとし、2022年に施行する事で合意した。
この決定は、現行レギュレーションの下で2021年シーズンのF1世界選手権が開催される事を意味する。新型肺炎の影響でレースの中止あるいは延期が続く中、F1では主にレースの開催権料と放映権収入の大幅な低下が見込まれている。これはチームの賞金額に直結する。2シーズン連続で同一シャシーを走らせる事で、大幅なコスト削減が可能となる。
新型肺炎のパンデミックによってF1コミュニティの存続に対する懸念が渦巻く中、この日の会議にはF1の最高経営責任者を務めるチェイス・ケアリーとスポーティング・ディレクターを務めるロス・ブラウン、そして国際自動車連盟(FIA)会長のジャン・トッドが参加した。
参戦チームとF1の首脳陣達は今週に入って、ウイルスの感染拡大によってレースが開催できない事による今季の収入への打撃をどのように緩和すべきかについて話し合いを重ねてきた。2021年規約の先送りについてはフェラーリのみが判断を一旦保留としたが、この日の会談ではマッティア・ビノット代表が支持を表明したと伝えられている。
FIAは凍結領域について今後更なる議論が予定されているとしており、ギアボックスなどの主要メカニカルコンポーネントも凍結の対象に含まれる事が予想される。バジェットキャップは予定通り2021年から導入される見通しで、各チームは年間1億7,500万ドル(約190億1,760万円)という予算制限の中で新世代マシンの開発を進める事になる。これにより、3強チームとミッドフィールド間のギャップの更なる縮小が期待できる。
これらの合意内容は、最終的に世界モータースポーツ評議会によって承認される必要があるものの、一連の流れと現在のF1を取り巻くコロナウイルスの状況を考慮すれば、可決されるのは疑いない状況と言える。