ハースF1チームのニキータ・マゼピン、2021年F1サウジアラビアGPにて
Courtesy Of Haas

元F1ドライバーのニキータ・マゼピン、EU制裁解除の判決…ウクライナ侵攻の対露措置

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ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア対応の一環としてロシア出身の元F1ドライバー、ニキータ・マゼピンに課せられていた欧州連合(EU)の制裁が解除された。

EUは2022年3月9日(水)、EU域内の資産凍結や渡航禁止措置の対象者に、ニキータ・マゼピンとカリ肥料大手ウラルカリ社などを所有する実業家の父ドミトリーを追加した。

ハースF1チームはこれに先立ち、ドミトリーが筆頭株主のウラルカリ社とのタイトルスポンサー契約並びに、ニキータ・マゼピンとのF1レギュラードライバー契約を即時解除する決定を発表した。

EUが制裁対象に加えたのは、ニキータ・マゼピンが「クリミア併合とウクライナの不安定化に責任を負うロシア連邦政府に実質的な収入源を提供する経済部門に関与する有力実業家(彼の父親)に関連する自然人である」ためだった。

ドミトリー・マゼピンはウラジミール・プーチン大統領と緊密な関係を持ち、政治的影響力を有する新興財閥「オリガルヒ」の一員に数えられていた。

しかしながらEU裁判所の下級審、一般裁判所は2024年3月20日(水)、ニキータ・マゼピンと父親との間には、経済的または資本的な関係や、両者を結びつける共通の利益が立証されていないと指摘し、単に家族関係にあるというだけで制裁リストに載せるのは誤りとの判断を下した。

ニキータ・マゼピンは声明を通して「今日の判決には本当に勇気づけられた。本件を公正に裁いてくれた欧州裁判所に感謝している。これは間違いなく重要なマイルストーンだ」と述べた。

25歳のロシア人ドライバーは2022年3月に英国とカナダからも制裁を受けており、これらの制裁は今も続いている。