F1契約喪失のニキータ・マゼピン、”一方的”なハースの対応を非難「完全に無視された」
ニキータ・マゼピンは2022年シーズンのF1レギュラードライバー契約の即時解除を受け、ハースF1チームが自らの希望を「完全に無視」した上に「何のプロセスも踏んでいない」として非難した。
父ドミトリーが所有するウラルカリ社とハースとの冠スポンサー契約が解除された事で、23歳のロシア人ドライバーは2022年シーズンのシートを失った。
チームからの契約解除発表から程なくしてマゼピンはSNSを通し、妥協点を見いだすための「何らのステップも踏んでいない」としてハースの対応を非難した。
「F1との契約が打ち切られた事を聞き、本当に残念に思う」とマゼピンは語った。
「困難な状況である事は理解しているけど、FIAの決定だけでなく、続けていくために飲まなきゃならない条件を受け入れるという僕の意思は完全に無視された。この措置は一方的で、何らのプロセスも踏んでいない」
ウラジミール・プーチン大統領の指揮のもと、ロシア軍がウクライナに侵攻した事を受けF1を統括する国際自動車連盟(FIA)は、ロシア及びベラルーシのドライバーに対し、軍事侵攻への支持を表明しない事、国旗を含むシンボルを掲げてレースを行わない事などを求める同意書へのサインを条件に、レース参戦を許可する通達を出していた。
マゼピンはこれにサインする用意があったと主張したが、父ドミトリーはウクライナ侵攻の当日にプーチン大統領に呼び出された37人の実業家の中に含まれるほど親しい人物であり、また、各国のロシアに対する経済制裁や、英国のモータスポーツ統括団体がロシア/ベラルーシ発行ライセンス所有者の国内競技参戦を禁止する決定を下すなど、ハースにおけるマゼピンの立場は急速に悪化していた。
「理解してくれようとした人たちに感謝したい。永遠にね」とマゼピンは続ける。
「F1で過ごした時間を大切に心に留め置き、状況が好転した際に、また皆と一緒にいられることを心から願っている。近いうちにまた、もう少し話ができればと思ってる」
ミック・シューマッハのチームメイトとして昨年F1デビューを果たしたマゼピンは、シーズンを通して一度もトップ10フィニッシュできずノーポイントに終わり、ドライバーズランキング21位と最下位でルーキーイヤーを終えた。