F1、ステファノ・ドメニカリのCEO就任を発表「より広い視野と経験をもたらしたい」現職ケアリーは非常勤会長に
F1は第10戦ロシアGPの2回目のフリー走行が行われている最中、2021年1月付でステファノ・ドメニカリがF1の新たな社長兼最高経営責任者(CEO)に就任すると発表した。現会長兼CEOのチェイス・キャリーは非常勤会長としてマネジメントに留まる。
イタリア出身のドメニカリ(55歳)は1991年にスクーデリアに入社し、2002年にスポーティング・ディレクターに就任すると、2008年にはチーム・プリンシパルに抜擢され、2014年初めまでマラネロのチームを率いていた。
現在、F1の競技部門を率いているロス・ブラウンとは2000年代のフェラーリでの同僚同士であり、ブラウンはテクニカル・ディレクターとして、ドメニカリはチームマネージャーとして共にマラネロで働いていた。
成績不振の責任を取らされる形でチームを追われた後はアウディに入社し、これと並行してFIAのシングルシーター委員会長を務めると共に、2016年からはスポーツカーで有名なランボルギーニの会長兼CEOを務めていた。ランボルギーニには同じく9月25日にリリースを発表し、ドメニカリが2020年末を以て組織を離れる事を明らかにした。
「F1の組織に加われる事になり本当に嬉しく思っている。F1は常に私の人生の一部であり続けてきた」とドメニカリは語った。
「私はイモラで生まれ、今はモンツァに住んでいるが、FIAのシングルシーター・コミッションの仕事を通じて、このスポーツとの繋がりを保ち続けてきた。今後F1のビジネスを前進させていくために、チーム、プロモーター、スポンサー、そして他の多くのパートナー達と協力し合いながら仕事に取り組む事を楽しみにしている」
「アウディでの過去6年間、そしてランボルギーニを率いてきた事で、より広い視野と経験を得ることができた。私はそれをF1にもたらしていきたいと考えている」
F1の商業権を持つリバティメディアの社長兼CEOを務めるグレッグ・マッフェイは、ドメニカリの加入を歓迎すると共に、今後もF1において重要な役割を果たしていくであろうケアリーに敬意を表した。
「チェイスはF1をリードするという驚異的な仕事をやってのけてきた。F1の魅力を広げ、デジタルでの存在感を高め、新たな技術規定を確立した。また、史上初となるコストキャップの導入を実現させ、チームとの間でより公平なコンコルド契約を締結するなど数々の成果を挙げて、F1を一流の商業・スポーツ組織へと成長させたのだ」
「彼のおかげでF1はモータースポーツの頂点としての立場を強化する事となった。今後も変わらず彼は偉大なパートナーであり続ける。非常勤会長という新たな役割においても彼の助言を期待している」
「ステファノ・ドメニカリをF1の社長兼CEOとして迎えることができて本当に嬉しく思っている。ステファノの加入によって我々は、フェラーリF1での成功だけでなく、アウディとランボルギーニという自動車業界での成功経験と豊かな歴史を手にする事になる」
一方のケアリーCEOは「過去70年の歴史を持つ真のグローバルスポーツであるF1を率いることができて光栄だ」との談話を発表した。
「我々のマネジメントチームは非常に困難な2020年を乗り切っただけでなく、持続可能性や多様性、インクルージョンの分野で目的と決意を持って仕事に取り組み、長期的な成長に欠かせない強固な基盤を築いたと確信している。これは一種の冒険であり、チームやFIA、そしてすべてのパートナーと一緒になって、楽しんで仕事に取り組んできた。私は今後、ステファノをサポートしていく」