跳馬のF1支配強まる? 元フェラーリ代表ステファノ・ドメニカリ、F1の新CEO就任へ
スクーデリア・フェラーリでかつてチーム代表を務めていたステファノ・ドメニカリが、チェイス・ケアリーの後任としてF1の新たな最高経営責任者(CEO)に就任する見通しが固まった。
リバティメディアによるF1買収を経て、2017年にバーニー・エクレストンに代わって現職に就いたチェイス・ケアリーは、賞金分配やF1参戦要件などを定めた2025年までを対象とする新コンコルド協定の締結という大仕事を片付け、年内いっぱいで3年半以上に及ぶCEOの任期を終える。
現時点でF1からの正式発表はないが、後任にはステファノ・ドメニカリが内定したものと見られ、年内中の早い段階でのアナウンスが見込まれる。
イタリア・イモラ出身の55歳は、1991年にフェラーリでキャリアをスタートさせ、2003年にスポーティング・ディレクターに抜擢されると、2008年にジャン・トッドの後任としてチーム代表に就任。フェルナンド・アロンソと共にタイトルまで後一歩まで肉薄したものの、成績不振の責任を問われる形で2014年にマラネロを去った。
同年末にアウディに入社すると、これと並行してゲルハルト・ベルガーの後任として国際自動車連盟(FIA)シングルシーター委員会長に就任。2016年以降はアウディと同グループのランボルギーニのCEOを務めてきた。
スクーデリアでの経験から、ステファノ・ドメニカリはF1の現マネージング・ディレクターを務めるロス・ブラウンやジャン・トッドFIA会長との繋がりが深く、チェイス・ケアリーの退任を以てF1は、商業権者と統治機関の両方のトップをフェラーリ出身が占める事となる。
ただしジャン・トッドの任期は来年末までとなっており、4選禁止を謳うFIA規定を改定しない限り退任する事となる。