レーシングポイント・フォースインディアのテストドライバーを務めるニキータ・マゼピン
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ウィリアムズF1に買収話が勃発…ロシア人大富豪ドミトリー・マゼピンが交渉を開始?

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ロシアの実業家として知られるドミトリー・マゼピンが、ウィリアムズF1チームの買収に向けて協議を開始したようだ。イタリアの情報筋によれば、1ヶ月程前にマゼピン側からウィリアムズへのアプローチがあり、両者は中国GPの週末に話し合いの場を持ったとされる。

ドミトリーはロシア・ベレズニキに本拠地を置く多国籍企業、ウラルカリ社の取締役会副会長を務める人物で、昨年までの3年間に渡ってフォース・インディアのテストドライバーを務めていたニキータ・マゼピンの実の父。息子のキャリアのために、チーム買収という手段に興味を持っていることは秘密ではなく、かつて名門と言われたチームの凋落ぶりを考えれば、買収話は驚くに値しない。

フォース・インディアが破産管財人の管理下に置かれた昨年、ドミトリーはウラルカリ社を通して買収に動いたものの、シルバーストンのチームはカナダ人の大富豪、ランス・ストロールの父ローレンス率いる投資家グループによって買収された。ローレンスはレーシングポイントと改称したチームに、息子ランスを移籍させている。

グローブのチームは一昨年以降、グリッド上での競争力を急速に失っており、今季は開発スケジュールの遅れからプレシーズンテストの4分の1を欠席。FW42の設計を主導したパディー・ロウはチームを追われ、ロバート・クビサとジョージ・ラッセルは毎戦最下位争いを繰り広げている。

苦境に立たされている中、ウィリアムズはストロール家から莫大な資金を得ていた昨年、僅かながらも増収増益を達成しているが、チャンピオンシップ最下位に終わった昨シーズンの結果を考えれば、今年新たに迎え入れたROKiTとオルレンのスポンサーマネーがこれを上回る金額とは考えにくく、今季も同様の成績に終わる可能性がある事を踏まえれば、財務状況が悪化しつつある可能性は少なくない。

ニキータ・マゼピンは今年、ARTグランプリからFIA-F2選手権に参戦する傍ら、メルセデスAMGの2017年型F1マシン「W08」を使った12日間のプライベートテストを行うものとみられているが、この契約のためにドミトリーは20億円を超える資金を投じたと噂されている。