フォーミュラEのシムレース「Race at Home Challenge」の第5戦で競い合うストフェル・バンドーンとダニエル・アプト
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“ゴーストドライバー”で罰金と失格…ダニエル・アプト、慈善バーチャルレースで不正行為

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“ゴーストドライバー”を使ったとして、ダニエル・アプト(アウディ・スポーツ)が5月23日(土)に行われたフォーミュラEのシムレースイベント「Race At Home Challenge」のリザルトを剥奪され、慈善団体に対して1万ユーロ(約117万4,000円)の寄付を行うよう命じられた。

アプトはテンペルホーフ国際空港内のコースを舞台とする第5戦ベルリンでのレースで、オリバー・ローランド(日産e.dams)とストフェル・バンドーン(メルセデスベンツEQ)に次ぐ3位でフィニッシュしたものの、実際にステアリングを握っていたのはアプト本人ではなく、プロのシムレーサーであるロレンツ・ホーリングであった事をレース後に認めた。

突如としてアブトのパフォーマンスが大幅に向上した事に対し、バントーンとジャン=エリック・ベルニュ(DSテチータ)は、実際にステアリングを握っているのは別人ではないかとの懸念を表明していたが、レース後の調査で不正行為があった事が明らかにされた。

フォーミュラEは、不正行為があったとする根拠について一切明らかにしていないが、ゲームサーバーへのアクセス元IPアドレスで照合したものとみられる。

スチュワードはアプトを失格処分とした上で、これまでに獲得した全てのポイントを剥奪。更に、任意の慈善団体に1万ユーロを寄付するよう命じると共に、ホーリングに対しては今後、Race At Home Challengeへの参戦を認めないとするジャッジを下した。アプトは24日(日)に次のように謝罪した。

「土曜日のレースで外部の助けを借りた事について、フォーミュラE、ファンの皆、チーム、そして仲間のドライバー達に謝罪したい。僕は事態を深刻に受け止めていなかった。このプロジェクトに対する運営側の努力の程を知っているだけに、今回の件については本当に申し訳なく思っている」

「僕の行為によってイベントが後味悪いものになってしまったことは承知しているが、決して悪意があったわけではない。もちろん、僕は失格処分を受け入れるし、1万ユーロを慈善事業に寄付するつもりだ」

アプトの失格により、チャンピオンシップで首位に立つパスカル・ウェーレイン(マヒンドラ)が3位に繰り上がった。「Race At Home Challenge」は国際連合児童基金(ユニセフ)の活動支援の一環として行われているもので、毎週土曜に開催されている。