F1中国GP 最高速度:レッドブル・ホンダは下位、”弾丸”フェラーリが全計測地点で他を圧倒
2019年シーズンのFIA F1世界選手権第3戦中国GP予選でのドライバー及びチーム別スピードトラップを集計した。一発の速さを競う予選セッションで最速を刻んだのは、メルセデスAMGのバルテリ・ボッタス。チームメイトを1000分の23秒退けてポールポジションを獲得した。
スピードトラップ
上海インターナショナル・サーキットのスピードトラップは、バックストレートの終端ターン14の240m手前の地点で計測される。トップスピードはエンジン馬力やスリップストリームの有無の他、計測地点前のコーナーの種類やトラクション性能、ダウンフォースレベルや車体の空気抵抗といった様々な要素で上下する。
まずはチーム別に最高速度を見てみる。ヘルムート・マルコに「ミサイルのようだ」と言わしめたスクーデリア・フェラーリが327.1kmでトップ。2番手以下を大きく引き離した。フェラーリはフィニッシュラインや他の2箇所の計測地点でも他を圧倒するスピードを記録した。
興味深いのはルノーワークスだ。ルノーがトップスピードで上位に食い込んだ週末は記憶にない。カルロス・サインツはルノーの今季パワーユニットについて、昨季よりも0.3秒~0.4秒程度パフォーマンスが向上していると語っている。
レッドブル・ホンダはウィリアムズに次いで遅く、他の3箇所の計測地点でも下位に沈んでいる。RB15は中速域でのアドバンテージを持ちつつも、低速と高速の両方のコーナーでメルセデスとフェラーリに劣っていた。
予選リザルトとしては、メルセデスが跳馬を圧倒して1-2を飾ったわけだが、仮にセバスチャン・ベッテルが全セクターを自己ベストで繋いでいた場合、フェラーリがポールを獲得していた計算となる。とは言え、同様の事はルイス・ハミルトンにも当てはまる。
フェラーリとメルセデスの4名が、全てのセクターをミスなく走行した場合を計算すると、ハミルトンがボッタスを0.245秒上回りポール。これにベッテルとルクレールがそれぞれコンマ1秒遅れで続く結果となる。つまり上海での週末はリザルト通り、メルセデスW10の方がフェラーリSF90より高い競争力を有していたと言って良い。
フェラーリは直線でのアドバンテージは大きかったものの、それはダウンフォース不足の裏返しとも言え、高速コーナーでは逆にシルバーアローに引き離されていた。ドライバー別では、ベッテルとルクレールが1-2を刻みフェラーリが断トツのトップを記録している。
Pos. | Driver | Team | km/h |
---|---|---|---|
1 | セバスチャン・ベッテル | Ferrari | 327.1 |
2 | シャルル・ルクレール | Ferrari | 326.1 |
3 | ダニエル・リカルド | Renault | 323.9 |
4 | ケビン・マグヌッセン | Haas | 322.8 |
5 | ダニール・クビアト | Toro Rosso | 322.1 |
6 | セルジオ・ペレス | Racing Point | 322 |
7 | バルテリ・ボッタス | Mercedes | 322 |
8 | ロマン・グロージャン | Haas | 322 |
9 | キミ・ライコネン | Alfa Romeo | 321.7 |
10 | ニコ・ヒュルケンベルグ | Renault | 321 |
11 | ランド・ノリス | Mclaren | 320.7 |
12 | ランス・ストロール | Racing Point | 319.5 |
13 | カルロス・サインツ | Mclaren | 319.3 |
14 | ルイス・ハミルトン | Mercedes | 319.3 |
15 | マックス・フェルスタッペン | Red Bull | 318.3 |
16 | ジョージ・ラッセル | Williams | 317.2 |
17 | ピエール・ガスリー | Red Bull | 315.5 |
18 | ロバート・クビサ | Williams | 313.6 |
19 | アントニオ・ジョビナッツィ | Alfa Romeo | 146.1 |