Published: Updated:
1周目から大きな混乱に見舞われた第7戦F1カナダGPを制したのは、メルセデスのルイス・ハミルトン、カナダでは6度目、キャリア通算56勝目となる勝利を上げた。2番手にはチームメイトのバルテリ・ボッタスが続き、メルセデスAMGが1-2フィニッシュを飾る結果となった。表彰台の最後に滑り込んだのはレッドブルのダニエル・リカルドであった。
日本時間12日(月)未明に行われたF1カナダGP決勝レース、今週末で最も暑い気温28度、路面温度41度のコンディション。セント・ローレンス川の中洲に作られたジル・ビルヌーブ・サーキットには強風が吹き荒れ、砂埃と木の葉が舞うトリッキーなレースとなった。
1周目にフロントウイングを破損したセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)は4番手まで挽回し、チャンピオンシップでの痛手を最小限に抑えた。同僚キミ・ライコネンはレース終盤にリアタイヤのオーバーヒートを抱え失速、7番手に終わった。スタート時の混乱で順位を落としたフェラーリ勢は、第2スティントをスーパーソフトで、第3スティントをウルトラソフトで挑む2ストップ作戦を敢行した。
©F1
今季、台風の目となっているフォース・インディア勢は、表彰台寸前の大活躍を見せた。セルジオ・ペレスは5位、エステバン・オコンは6位をマークし、計18もの大量ポイントをチームに献上した。喜びの一方で、レース終盤にチームからオコンを先に行かせるよう指示されたペレスがこれを無視、レース後オコンは「フェアじゃない」と憤る場面も見られた。
マクラーレン・ホンダ勢は、ストフェル・バンドーンが14番手で完走した一方、フェルナンド・アロンソは残り2周というところでエンジントラブルを訴え自らマシンを降りた。アロンソは第3戦バーレーンGPでも残り2周の所でリタイヤしている。
母国グランプリとなったランス・ストロール(ウィリアムズ)は10位に入り、生まれ育った故郷の地で自身初ポイントを獲得した。
オープニングラップの多重クラッシュと混乱
©F1 アロンソのオンボード、1周目のクラッシュ
オープニングラップでの3コーナー、コース脇の芝に乗り上げたロマン・グロージャンとカルロス・サインツ(トロ・ロッソ)がサイド・バイ・サイドになりマシンが接触、このアクシデントによってスピンしたサインツの車が、フェリペ・マッサ(ウィリアムズ)のマシンに突っ込み、多重クラッシュに発展。コース上にはイエローフラッグが提示されセーフティーカーが出動した。マシンを大破させたサインツとマッサは1周も走り終える事なくリタイヤした。
2番グリッドスタートのベッテルは、1周目の1コーナーで、後方から飛び込んできたマックス・フェルスタッペンにフロントウイングを壊された。ベッテルはやむを得ずピットインしこれを交換、スーパーソフトに履き替え隊列の最後列に落ちる。
グリーンフラッグが出された直後の11周目、2番手を走行していたフェルスタッペンが突然失速、コース上でマシンを止めた事でVSCがコールされた。モントリオールでのレースの滑り出しは荒れに荒れた展開となったが、その後は特に大きな混乱もなく、各所でコース上のバトルが繰り広げられた。
2017年F1第7戦カナダGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | Pts |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 70 | 1:33:05.154 | 0 |
2 | 77 | ボッタス | メルセデス | 70 | +19.783 | 0 |
3 | 3 | リカルド | レッドブル | 70 | +35.297 | 0 |
4 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 70 | +35.907 | 0 |
5 | 11 | ペレス | フォースインディア | 70 | +40.476 | 0 |
6 | 31 | オコン | フォースインディア | 70 | +40.716 | 0 |
7 | 7 | ライコネン | フェラーリ | 70 | +58.632 | 0 |
8 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 70 | +60.374 | 0 |
9 | 18 | ストロール | ウィリアムズ | 69 | +1 lap | 0 |
10 | 8 | グロージャン | ハース | 69 | +1 lap | 0 |
11 | 30 | パーマー | ルノー | 69 | +1 lap | 0 |
12 | 20 | マグヌッセン | ハース | 69 | +1 lap | 0 |
13 | 9 | エリクソン | ザウバー | 69 | +1 lap | 0 |
14 | 2 | バンドーン | マクラーレン | 69 | +1 lap | 0 |
15 | 94 | ウェーレイン | ザウバー | 68 | +2 laps | 0 |
16 | 14 | アロンソ | マクラーレン | 66 | DNF | 0 |
NC | 26 | クビアト | トロロッソ | 54 | DNF | 0 |
NC | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 10 | DNF | 0 |
NC | 19 | マッサ | ウィリアムズ | 0 | DNF | 0 |
NC | 55 | サインツ | トロロッソ | 0 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 28℃ |
路面温度 | 41℃ |
周回数 | 70 |
セッション概要
グランプリ名 | F1カナダGP |
---|---|
レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | ジル・ビルヌーブ・サーキット |
---|---|
設立 | 1978年 |
全長 | 4361m |
コーナー数 | 14 |
周回方向 | 時計回り |