予選に向けてガレージ内で準備をする角田裕毅(アルファタウリ)、2023年6月17日F1カナダGP
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訝しげな角田裕毅「ちょっと奇妙…」直前練習で8番手もQ1敗退と失速、降格最後列から逆転入賞へ

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角田裕毅(アルファタウリ)は直前の最終プラクティスで8番手と、Q3進出への期待を誘う力強いタイムを刻みながらも、続く予選では16番手でQ1敗退と大きく後退。F1第9戦カナダGPの2日目を振り返り、訝しげな表情を浮かべた。

15番手でQ進出を果たしたニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)との差は僅か1000分の16秒。僅差でのQ1ノックアウトだった。この点について角田裕毅は「もちろん悔しいですが、ペースが全くありませんでした」と語った。

「コンディションが合わなかったのかもしれませんが、セッション序盤からFP3ほどペースが上がらなくて、FP3とはは全く違っていました。原因を突き止めなければなりません」

大雑把に言えば、両セッション間のコンディションに大きな違いはなかった。いずれも気温は15℃前後、路面温度は18℃前後だった。ただ、Q1の終盤は路面が乾きつつあった。

失速の原因について心当たりはないのだろうか? 角田裕毅は「兎に角、FP3の時ほどグリップがなかったんです」と説明し、「ちょっと奇妙な感じです」と付け加えた。

チームも原因が掴めていないようで、テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは「FP3ではマシンバランスがかなり良かっただけに、なぜこれほどまでに苦戦したのかを理解するためにデータを見直す必要がある」と語った。

「ユーキはQ2進出まであと一歩というところまで近づいたものの、クルマのバランスが必要なレベルに達していなかった。そのためヒュルケンベルグとストロールに僅差で敗れてしまった」

スピンを喫した角田裕毅(アルファタウリ)、2023年6月17日F1カナダGP FP3にてCourtesy Of Red Bull Content Pool

スピンを喫した角田裕毅(アルファタウリ)、2023年6月17日F1カナダGP FP3にて

課題としていた予選での上位進出を逃したとは言え、今のところ日曜のモントリオールはドライコンディションとなる見通しで、巻き返しの一助となるような予測不可能性に溢れたレースとなる可能性がある。

路面がFP1と同じ様な完全なグリーンとなれば、グリップ不足によって序盤に混乱が発生する可能性が高まるほか、各車ドライでのロングランが不足しているため、予選と同様にある種のサプライズがあるかもしれない。

角田裕毅は「明日はもっと良い状況になることを期待しています。ポイントを獲得できるように頑張るつもりです」と意気込みを語った。

惜しむらくは、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)への走行妨害によって3グリッド降格ペナルティが科された事だろう。角田裕毅は最後列19番グリッドに並ぶ事になる。

エギントンは「楽なレースにはならないだろうが、それでも我々はレース戦略の策定に集中し、できる限り前進するために、如何なるチャンスも逃さないよう万全を期するつもりだ」と締め括った。

スピンを喫してコース上で立ち往生する角田裕毅駆る22号車アルファタウリAT04、2023年6月17日F1カナダGP FP3Courtesy Of Red Bull Content Pool

スピンを喫してコース上で立ち往生する角田裕毅駆る22号車アルファタウリAT04、2023年6月17日F1カナダGP FP3


2023年F1カナダGP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。2番手にニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)が続いたが、赤旗規定違反により3グリッド降格が科されたため、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が繰り上がりの最前列に並ぶ。

決勝レースは日本時間6月18日(日)27時にフォーメーションラップが開始され、1周4361mのジル・ビルヌーブ・サーキットを70周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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