キャデラックF1との接触、オファーの辞退とインディ500、迫るメルセデス復帰…活発化するボッタスの2025年交渉
バルテリ・ボッタス(ザウバー)は2026年のF1復帰を目指し、リザーブドライバー契約を巡ってメルセデスと交渉中であることを認めた。同時に、インディカーチームからの2025年フル参戦オファーを辞退したとしつつも、インディ500へのスポット参戦に含みをもたせ、さらにキャデラックと話し合いの場を持ったと明かした。
今月初めにザウバーは、ボッタスと周冠宇を解雇し、2025年のラインアップとして、FIA-F2選手権リーダーのガブリエル・ボルトレートと、4月に3年契約を締結したニコ・ヒュルケンベルグを起用することを発表した。この決定によりボッタスは2025年のF1シートを失った。
メルセデスとの再契約の可能性
F1カタールGPに先立ち、ミック・シューマッハが2024年末を以てメルセデスのF1リザーブドライバーを退任することが発表された。「新たな機会」を追求するためだという。
チーム代表兼CEOのトト・ウォルフは、シューマッハの後任としてボッタスを再びメルセデスに迎え入れたいとの強い意向を示しており、後はボッタスが契約書にサインするだけだとしている。
ボッタスはウォルフのラブコールを「本当に光栄に思う」とした上で、リザーブとしてのメルセデスへの復帰は、2026年のF1復帰を目指す自身にとって「堅実な選択肢」であると語り、契約が間近に迫っていることを仄めかした。
一方で、2025年に向けた計画への影響を評価するために、「話し合わなければならない細かい点がたくさんある」として、現時点ではまだ話し合いを続けている段階だと説明した。
キャデラックへの関心と2026年のF1復帰
キャデラックが2026年からのF1参戦を確定させたことで、ボッタスにとってF1復帰の現実的な道が開かれた。
キャデラックF1チームの取締役に就任したマリオ・アンドレッティは、若いアメリカ人ドライバーと、国籍を問わずF1での経験が豊富なベテランドライバーの組み合わせを検討していると述べており、ボッタスはその候補の一人として名前が挙がっている。
新チームの誕生についてボッタスは「GM/キャデラックのような素晴らしいブランドがF1に加わるのは素晴らしいことだと思う。それは同時に、2026年に2つのシートが加わるということでもあるし、良いことだよ」と評価した。
また、複数の報道によるとボッタスは「もちろん、僕だけではないと思うけど」としつつも、キャデラックと接触したことを認め、本格的な交渉に意欲を示した。
キャデラックのF1シートを巡っては、IMSAでキャデラックをドライブした経験を持つケビン・マグヌッセンがライバルになる可能性がある。
インディカー参戦オファーと辞退の理由
ボッタスはまた、2025年に向けてインディカーチームからフルタイムでの参戦オファーを受けたものの、準備や適応が短期間では難しいこと、さらにF1復帰の可能性を模索したいとの意向から、これを辞退したと説明した。
「2026年に向けては、良いクルマに乗るチャンスがまだ残されている。僕の優先事項は依然としてF1だ。2026年にF1にいないのであれば、インディカーへのフル参戦は将来的に本当に興味深い選択肢になる」とボッタスは語った。
オファーを出したチーム名は明らかにされていないが、現時点では、デイル・コイン・レーシング、フンコス・ホリンジャー・レーシング、そしてレイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに計4つの空席がある。
さらにボッタスは、現時点で正式なオファーはないとしつつも、インディ500へのスポット参戦の可能性に含みをもたせた。例えばF1で何らかの役割を担う場合、モナコGPと日程が重なるため、まずは2025年の主な活動を決定した後に、検討する考えのようだ。