メルセデスのF1リザーブ・ドライバーを務めるミック・シューマッハ、2024年
Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

シューマッハ「新たな機会」を追求すべく、2024年末でメルセデスF1を離脱

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メルセデスAMGペトロナスF1チームは2024年11月28日、リザーブドライバーを務めるミック・シューマッハが「新たな機会を追求」するため、2024年シーズン末を以てチームを離れると発表した。

離脱の理由について25歳のドイツ人ドライバーは、「コックピットに座れずレースを観戦するのは辛い。レースに100%集中する立場に戻りたい。モータースポーツの競技面に完全に専念したい」と説明した。

「結局のところ、ドライバーとして何よりも求めているのはレースだ。レースこそが心を満たしてくれる」

一方で、「この2年間で得られた洞察について、トト(ウォルフ)とチーム全員に感謝したい。この経験によって僕は間違いなく、より経験豊富なレーシングドライバーになった。エンジニアリング面を深く知ることができたからだ」と述べ、チームに対する感謝を表した。

メルセデスW14をドライブするミック・シューマッハ、F1スペインGP後の2023年6月7日にカタロニア・サーキットで行われたピレリの2024年型タイヤ開発テストにてCourtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

メルセデスW14をドライブするミック・シューマッハ、F1スペインGP後の2023年6月7日にカタロニア・サーキットで行われたピレリの2024年型タイヤ開発テストにて

CEO兼チーム代表のトト・ウォルフは、「過去2年渡るリザーブドライバーとしてのミックの勤勉な尽力、そしてコミットメントは、チームにとって欠かせないものだった」と述べた。

「シミュレーターでの作業、さまざまなクルマのテスト、そしてトラックサイドチームの一員として彼の仕事ぶりに、これ以上求めるものは何もなかった。彼は初日からチームに溶け込み、ブラックリーやブリックスワースの誰もが彼を本当に好意的に思うようになった」

「だが、ミックは何よりもまずレーシングドライバーだ。F1での活躍、そして今年のWECでのパフォーマンスから見ても、彼が非常に高い実力を持つドライバーで、一流の選手権で競うにふさわしい存在でることは明らかだ」

「次なる挑戦に向かう彼に、心から感謝を述べるとともに、これからの成功を祈っている」

後任は明らかにされていないが、今季限りでザウバーのシートを失うバルテリ・ボッタスが候補と見られる。一方でボッタスは、2026年にF1新規参入を果たすキャデラックに加わる可能性も考えられる。ただし、同じことはシューマッハにも言えるかもしれない。

シューマッハはハースF1チームを解雇された後、2023年に英国ブラックリーのチームに加わり、過去2年に渡ってリザーブ兼テストドライバーとして活動。シミュレーター作業に加え、さまざまなテストを通してフィードバックを提供してきた。

また、今シーズンはアルピーヌからFIA世界耐久選手権(WEC)に参戦し、富士スピードウェイで行われた第7戦では3位フィニッシュによって同チームにとっての初の表彰台を獲得した。シューマッハは2025年もアルピーヌからWECに参戦する。