ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)と最前列獲得を喜び合うマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、2021年8月28日F1ベルギーGP予選にて
Courtesy Of Red Bull Content Pool

フェルスタッペン、ホンダ共闘50戦目にポール!赤旗事故経てラッセルが2番手快挙 / F1ベルギーGP《予選》結果とダイジェスト

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2021 FIA-F1世界選手権12戦ベルギーGPの公式予選が8月28日にスパ・フランコルシャンで行われ、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが今季5度目のポールポジションを獲得した。

40分間に渡る赤旗中断を経て行われた予選Q3は、水しぶきが空高く上がるレベルのウェットコンディションで開始された。インターミディエイトを履いたフェルスタッペンは、最終アタックで1分59秒765をマーク。後続にコンマ3秒差をつけ、レッドブルとホンダの共闘50戦目の節目にポールを掴み取った。

2番手につけたのはウィリアムズのジョージ・ラッセルだった。雨に翻弄されるライバルを尻目に今季3度目のQ3進出を果たすと、来季チームメイトとなる可能性があるルイス・ハミルトン(メルセデス)を真っ向勝負で打ち砕き、1000分の13秒差で3番手に抑えた。

ラッセルは予選後のグリッドインタビューの中で「幸いにも僕はQ3で何も失うものがない立場にいた」と述べ、ライバルよりリスクを取ってアグレッシブに攻めた事が驚きの結果に繋がったとの考えを示した。

殊勲4番手はダニエル・リカルド(マクラーレン)。セバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は1000分の71秒届かず5番手という結果となった。

フェルスタッペン以外のホンダ勢は、アルファタウリのエース、ピエール・ガスリーが6番手を確保。セルジオ・ペレスは7番手につけた。角田裕毅は17番手でQ1敗退を喫した。

バルテリ・ボッタスは8番手をマークしたが、前戦ハンガリーでの事故に対するペナルティとして5グリッド降格が科される。

契約更新が発表されたばかりのチームメイト、フェルナンド・アロンソが14番手でQ2敗退を喫した一方、エステバン・オコン(アルピーヌ)は9番手を手にした。

オー・ルージュで赤旗大クラッシュ

Q3では最終盤の頂上決戦を前に衝撃的な事故が発生した。雨脚が強まる中、フルウェットタイヤを履き先行して計測ラップに向かったランド・ノリス(マクラーレン)が、オー・ルージュでコントロールを失い高速でバリアに激突した。

マクラーレンMCL35Mはリアを中心に大きなダメージを負った。ギアボックスやエンジンは勿論、モノコックの損傷すら懸念される大きな事故だった。ノリス本人はラップに入る前、チームに対して無線でハイドロプレーニング現象が起きていると伝えていた。

危険なコンディションであるとして、事故直前にレースコントロールに対して赤旗の提示を進言していたベッテルは「だから言っただろ!!」と激怒。ノリスの身を案じて事故現場へ直行し状況を確認すると「彼は大丈夫だ、彼はOKだ」と安否を報告した。

幸いにもノリスはマーシャルの手を借りてクルマを降り、腕を気にする様子を見せながらもメディカルカーに乗り込んだ。その後、メディカルセンターで検査を受けた後、更なる検査のため地元病院に搬送された。

レッドフラッグにより時計の針は8分59秒で止められ、セッション再開には40分強を要した。

予選Q1:角田、今季7度目の敗退

土曜午後の現地の天候は相変わらず不安定で、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温14℃、路面16.5℃のウエットコンディションでスタート。全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1は雨の影響で12分遅れで開始された。

ウィリアムズ勢のみがインターミディエイトを履き、他はフルウェットを装着してコースに向かったが、ラッセルと僚友ニコラス・ラティフィがタイムシートのトップに立った事で、全車がインターに履き替えた。

難しいコンディションながらもクラッシュはなく、ノリスがフェルスタッペンをコンマ4秒抑えてトップタイムを記録した。

角田裕毅は0.589秒届かず、今季7度目のQ1ノックアウトを喫した。8番手突破を果たしたガスリーとのギャップは2.026秒に達した。

ノックアウト

  • アントニオ・ジョビナッツィ
  • 角田裕毅
  • ミック・シューマッハ
  • キミ・ライコネン
  • ニキータ・マゼピン

予選Q2:唯一2セットで凌いだレッドブル

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、全車がインターミディエイトでコースイン。徐々に路面コンディションが改善していく展開となった。

Q3進出組のうち、レッドブル・ホンダ勢のみがここまでのセッションを2セットのインターで凌いだ。他は3セットを投じた。

フェラーリはシャルル・ルクレールが11番手、カルロス・サインツが13番手とダブルQ2敗退に終わった。

ノックアウト

  • シャルル・ルクレール
  • ニコラス・ラティフィ
  • カルロス・サインツ
  • フェルナンド・アロンソ
  • ランス・ストロール

予選Q3:衝撃事故からの劇的結末

ノリスの事故を経てセッションが再開されると、まずはオコンとラッセルがフルウエットタイヤを履いてコースに向かった。

ただ、2台の走行を確認したレッドブルやメルセデスはインターを選択。結局、フルウェット勢は再びピットに入る事となり、頂上決戦は全車インターでの争いとなった。

1回目のラップ終えて暫定ポールに至ったのはハミルトン。フェルスタッペンは0.9秒遅れの2番手、ボッタスが1.5秒遅れの3番手と続いた。

先陣を切ってラストアタックに向かったラッセルは、セクター1で全体ベストを刻む好走を見せ暫定ポールを奪取した。

後続のハミルトンはラッセルに届かなかったが、同じく雨を得意とするフェルスタッペンがコンマ3秒上回り、スパでの初のポールを手にした。

2021年 F1ベルギーグランプリ決勝レースは、日本時間8月29日(日)22時にスタート。1周7,004mのスパ・フランコルシャンを44周する事でチャンピオンシップを争う。

2021年F1第12戦ベルギーGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:58.717 1:56.559 1:59.765 20
2 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:59.864 1:56.950 2:00.086 24
3 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:59.218 1:56.229 2:00.099 22
4 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 2:01.583 1:57.127 2:00.864 22
5 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 2:00.175 1:56.814 2:00.935 23
6 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 2:00.387 1:56.440 2:01.164 23
7 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダ 1:59.334 1:56.886 2:02.112 22
8 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:59.870 1:56.295 2:02.502 22
9 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 2:01.824 1:57.354 2:03.513 23
10 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:58.301 1:56.025 19
11 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 2:00.728 1:57.721 16
12 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 2:00.966 1:58.056 17
13 55 カルロス・サインツ フェラーリ 2:01.184 1:58.137 15
14 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 2:01.653 1:58.205 16
15 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 2:01.597 1:58.231 16
16 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ・フェラーリ 2:02.306 9
17 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダ 2:02.413 9
18 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 2:03.973 9
19 7 キミ・ライコネン アルファロメオ・フェラーリ 2:04.452 9
20 9 ニキータ・マゼピン ハース・フェラーリ 2:04.939 8

コンディション

天気小雨
気温14℃
路面温度16.5℃

セッション概要

グランプリ名 F1ベルギーGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 スパ・フランコルシャン
設立 1921年
全長 7004m
コーナー数 19
周回方向 時計回り

F1ベルギーGP特集