昨年スパ最速のフェラーリ、ウィリアムズにすら遅れ Q1敗退ライン…凋落ぶりを嘆くドライバー
フェラーリの凋落ぶりが見るに堪えない。マラネロの名門チームは第7戦ベルギー初日フリー走行2で、シャルル・ルクレールが15番手、セバスチャン・ベッテルが17番手と、予選Q1敗退ラインに沈んだ。一日を振り返った昨年ポール・トゥ・ウインのルクレールは、スクーデリアの落ちぶれを嘆いた。
メルセデスとレッドブル・ホンダが共に、昨年のグランプリの時よりも1秒以上もタイムを改善しているのに対して、昨年のスパ・ポールシッターの跳ね馬はFP1で1.605秒マイナス、FP2では1.317秒マイナスと、大きくタップライムを落とした。
当然タイムシート上でのポジションは下位に沈み、2台のフェラーリはカスタマーチームのアルファロメオの2台の後塵を拝し、ベッテルに至っては過去数年に渡って万年最下位に甘んじてきたウィリアムズにすら遅れを取った。
初日セッションを振り返ったルクレールは「本当に厳しい一日だった。ここまで遅れたのは驚きだよ。特にFP2は酷かった」と辛辣な評価を下した。
「2回目のセッションでダウンフォースレベルをかなりアグレッシブに設定してみたんだけど、上手くいかずに戻す事にした。とにかくペースが足らない状況だし、キャッチバックするためにはハードワークが必要だ。でも、僕は今週末に奇跡を期待していない」
「ドライバーとしての僕らの役割はベストを尽くすことだ。僕とセブ(ベッテル)が努力しているのはそういう事だ。金曜日に苦戦しながらも、翌日の土曜日に解決策が見つかったということもあったし、明日もそうなるよう願うよ」
今季フェラーリは、パワーユニット開発でライバルに2歩近く遅れを取っているが、スパでの惨状の原因はエンジンというよりもSF1000のマシンバランスに依るところが大きいようだ。つまり、良い仕事をしさえすれば2日目以降に改善できる余地は残されている。
ベッテルは「マシンがトリッキーでドライブしにくかった。バランスに手こずっていて、本来いるべき場所に到達できていない。今はセットアップのオプションを探しているところだ。今日の午後はいろいろと試してみたけど、全てをリセットしてもう一度何か違うことを試してみる必要がある」と語り、ルクレールは「問題の大部分はバランスに関するものだった。尋常ではない程にバランスに手を焼いている」と4度の王者の意見に同意した。
マッティア・ビノット代表は、グリップが不足していたために加減速の両方でパフォーマンスが減少していたと説明。タイヤを上手く機能させる事が出来さえすれば、挽回は不可能ではないと強調している。
初日をトップで締め括ったのはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。2番手ダニエル・リカルド(ルノー)を0.048秒差で退けた。3番手には0.096秒遅れでルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。
F1ベルギーグランプリ3回目のフリー走行は日本時間8月29日(土)19時から、公式予選は同22時から1時間に渡ってスパ・フランコルシャンで開催される。