2021年仕様のレッドブル・ホンダのレーシングスーツを着用したマックス・フェルスタッペン
Courtesy Of Red Bull Content Pool

フェルスタッペン、断固として”ブラフ警戒”解かず「メルセデスに容易く勝てると期待するのは愚か」

  • Published: Updated:

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが今週末に開幕を迎える2021年FIA-F1世界選手権開幕バーレーンGPに先立ち、最大のライバルであるメルセデス、レースウィーク及び今シーズンの抱負を語った。

今季末でのホンダのF1撤退が確定している中、レッドブル及びフェルスタッペンにとっては、積年の願いであるチャンピオンシップ制覇に向けた最大のチャンスを迎える事になる。

撃破すべきV6時代の絶対王者メルセデスは、開幕に先立って行われたプレシーズンテストで課題が露呈。2週間という期間でどこまで挽回してくるかが注目されるが、チーム首脳陣は時間が限られられているとの理由で、開幕戦までにレッドブルとのギャップを埋めることは難しいとしている。

テストでのレッドブル・ホンダ勢は、フェルスタッペンが3日間を通しての全体ベストタイムを記録。大きなトラブルもなく順調に周回数を伸ばし、昨季型マシンの課題も克服と、タイトル戦に向けての期待が高まっているが、フェルスタッペンは依然として慎重な姿勢を崩さない。

マックス・フェルスタッペン開幕バーレーンGPに向けて

テスト及びRB16Bの仕上がり

クルマに1.5日しか乗れなかったのは問題じゃない。僕にとって重要なのはしっかり走り込めた事と、テスト中に施したセットアップ変更が上手くいった事だ。

暑いコンディションの中でしかドライブしていないし、コースによって求められるものが違うから、まだ限界については語れないけど、クルマは安定しているし感触も良い。

もちろん改善すべき点はあるけど、それは今に限らず常にそういうものだし、エンジニアの皆が取り組んでくれている。

今シーズンの抱負

確かにプレシーズンテストは僕らにとってポジティブなスタートになった。かなりの周回数を走り込めたしクルマに対する理解も深まったからその点には満足してる。

純粋なパフォーマンスに関しては何も言えない。皆が興奮してるのは知ってるけど、僕らは依然としてメルセデスが有力候補だと思ってる。何しろ7年連続でチャンピオンシップを勝ってるわけだからね。

ホンダ新PUはF1ベストエンジン

メルセデスは、僕らが優勝候補だと人々に思わせる事で僕らにプレッシャーを与えようとしているんだと思うけど、僕らは自分たちの事だけに集中している。チーム、そしてホンダの誰もが、メルセデスや他のライバルを打ち負かすべくプッシュし続けている。

シーズンに臨むに際しては毎年、彼らを打ち負かすための新たなチャンスが来たと捉えているけど、容易く勝てると期待したり、テストだけを見て自分たちが先行していると考えるのは愚かな事だ。

人工照明に照らされたバーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するメルセデスのバルテリ・ボッタス、2021年3月13日F1バーレーン2日目Courtesy Of Daimler AG

人工照明に照らされたバーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するメルセデスのバルテリ・ボッタス、2021年3月13日F1バーレーン2日目

個人的には開幕戦の予選Q3が待ち遠しい。

全車が燃料搭載量を抑えてフルパワーで走る最初の機会になるわけで、どのチームが進化を遂げたのかがようやく明らかになるからね。その後のレースでは、どのチームがそのパフォーマンスをレース最後まで維持できるのかが明らかになる。僕らとしてはその両方で上手くやれる事を願ってる!

最後に一言

タイトル争いをするためには僕もチームも結果を出さなきゃならない。僕らは皆、自分達の役割を理解している。それに、ホンダとエクソンモービルもRB16Bのために最高のパッケージを届けるべく、冬の間を通して懸命に努力を積み重ねてくれた。

僕はバーレーンのコースが好きだ。自分たちのパフォーマンスを確認するのを本当に楽しみにしている。各チームの真の実力が遂に明らかになる。


バーレーンGPの戦いの舞台となるのはプレシーズンテストと同じバーレーン・インターナショナル・サーキット。1周5412mのコースには計4本のストレートと15個のコーナーが配置される。

ランオフエリアが広いためウォールに激突する恐れがなく、ドライバーにとってはブレーキングポイントの限界を見極めるのが容易。オーバーテイクポイントが豊富にあるため、数多くの追い抜きと激しいバトルが見られる。

夜のバーレーン・インターナショナル・サーキットとスクーデリア・フェラーリSF1000、2020年F1バーレーンGP予選copyright Ferrari S.p.A.

夜のバーレーン・インターナショナル・サーキットとスクーデリア・フェラーリSF1000、2020年F1バーレーンGP予選

11月末に行われた昨年のグランプリでは、壮絶なクラッシュによる長期の赤旗と2度のセーフティーカーを経てルイス・ハミルトン(メルセデス)が優勝。2位にマックス・フェルスタッペン、3位にアレックス・アルボンと、レッドブル・ホンダの2台が表彰台に上がる結果となった。

F1バーレーンGPは日本時間3月26日(金)20時30分からのフリー走行1で幕を開ける。

F1バーレーンGP特集