故マレー・ウォーカーを称える横断幕の下を走りコースへと向かうレッドブル・ホンダRB16B、2021年F1バーレーンテスト3日目
Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

F1テスト閉幕…結局のところ一番速いチームは何処なのか?レッドブル・ホンダ、王者メルセデスにコンマ5秒差?

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シーズンの行方を占う2021年プレシーズンテストが終わった。3日間全体でのタイムシート
としてはマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が最速を刻み、これに角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)が続く結果となったわけだが、無論、AT02が王者メルセデスより速く、シニアチームにコンマ1秒と迫る程の速さがあるとはイメージしにくい。

計測時に履いていたコンパウンドの種類、搭載していた燃料量、時間帯、エンジンモードによってラップタイムは大きく変わってしまう。テスト結果がレースリザルトを保証しないのはこうした理由による。

夕暮れ時のバーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年3月14日F1バーレーンテスト3日目Courtesy Of Red Bull Content Pool

夕暮れ時のバーレーン・インターナショナル・サーキットを走行するレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2021年3月14日F1バーレーンテスト3日目

だが、これらの変数を当てはめてタイムシートを紐解けば、幾らか現実の序列により近い並びを導き出す事は可能だ。具体的な補正内容についての言及はないが、参考までにF1公式サイトが算出したチーム別の予選パフォーマンスのランキングを紹介したい。

これは最速のチームをベースとして、1周あたりのギャップを示したものだ。ショートペースで最も速いと結論付けられたのはレッドブル・ホンダで、2位メルセデスに0.56秒という驚異的なマージンを築いた。

チーム 1周あたりのギャップ
レッドブル・ホンダ
メルセデス +0.56秒
マクラーレン +0.59秒
アストンマーチン +0.72秒
アルピーヌ +0.80秒
アルファタウリ・ホンダ +0.97秒
アルファロメオ +1.12秒
フェラーリ +1.28秒
ハース +1.36秒
ウィリアムズ +1.83秒

今季のレッドブルRB16Bが、昨季型が課題としていたリアのピーキーさを克服したように見える一方、ギアボックストラブルの影響で初日午前の走行が僅か6周に制限されたメルセデスのW12は、不安定なリアエンドを修正し切れないままに最終日のチェッカーを受けた。開幕までに残された12日間の間にやるべき作業は山積みだ。

ガレージアウトするメルセデスのバルテリ・ボッタス、2021年3月12日F1バーレーンテスト初日Courtesy Of Daimler AG

ガレージアウトするメルセデスのバルテリ・ボッタス、2021年3月12日F1バーレーンテスト初日

3番手に位置づけられたのはマクラーレンだ。メルセデスとの差は100分の3秒という見積だ。開発トークンという観点から、メルセデスPUへの切り替えがネガに転じる恐れも懸念されていたわけだが、革新的なディフューザーを搭載するMCL35Mはドライバーの意のままにコースを駆け巡った。ランド・ノリスとダニエル・リカルドにミスらしいミスは見られなかった。

ガレージ内に運び込まれるセバスチャン・ベッテル駆るアストンマーチンAMR21、2021年F1バーレーンテスト2日目-2021年3月13日Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

ガレージ内に運び込まれるセバスチャン・ベッテル駆るアストンマーチンAMR21、2021年F1バーレーンテスト2日目-2021年3月13日

4番手のアストンマーチンはタイムシートこそランス・ストロールの12番手が最上位であったが、路面コンディションが”速く”なった夕刻以降にパフォーマンスランに取り組んでいない。5番手アルピーヌも同様だ。この位置に付けたのは、その部分の補正が大きいためだろう。昼夜では概ね約1.1秒のギャップがあった。

タイムシート2番手のアルファタウリ・ホンダは5番手にランクされた。自信を持たえるという点で、角田裕毅がC5を履いての軽タンで全開走行に取り組んでいた事をイメージするのは難しくはない。逆にタイムシート11番手に付けたピエール・ガスリーにそういった配慮は不要であり、一貫して燃料を多く積んだ状態での作業に取り組んでいたはずだ。

バーレーン・インターナショナル・サーキットをフェラーリSF21で走行するシャルル・ルクレール、2021年3月12日バーレーンテストにてCourtesy Of Ferrari S.p.A.

バーレーン・インターナショナル・サーキットをフェラーリSF21で走行するシャルル・ルクレール、2021年3月12日バーレーンテストにて

6~8番手にはフェラーリパワーユニット勢が仲良く並んだ。先に触れたように、この並びの根拠は算出方法についての言及はないのだが、アルファロメオとフェラーリは最終3日目の同じ時間帯に同じコンパウンドでロングランに取り組んでいた。結果としては、この2チームのレースペースには差がなかった。

興味深いのは9・10番手の並びとそのギャップの大きさだ。ハースがウィリアムズにコンマ5秒の9番手に並んだ。

こうしたランキングは開幕戦でのフォーカスポイントを示してくれるという点で有益だ。得てして見所が絞られている方が観戦しやすい。この並びはどこまで当たるだろうか? 結果は2週間後に明らかになる。