ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクター、2020年F1バーレーンGPにて
Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

ホンダF1、全車トップ10の好発進「クラッシュしたアルボンのパワーユニットは詳細な調査が必要」と田辺TD

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中東での今季最終3連戦の初戦となるF1第15戦バーレーンGPが開幕した。レッドブルのアレックス・アルボンがクラッシュを喫してマシンを大きく破損するアクシデントがあったものの、これを除けばホンダF1パワーユニット勢としては4台全てがトップ10に付ける好発進を切る事となった。

FP1では時折雨が見られたものの、この日は終始ドライコンディションに恵まれた。ホンダ勢を含む各チームは、2021年仕様のピレリのプロトタイプタイヤのテストを交えながら、来年と週末に向けた準備を進めるべく、順調に走行を重ねていった。

予選・決勝とコンディションが大きく異るという点でタイムシートに大きな意味はないものの、ホンダPU勢はミディアムタイヤでベストタイムをマークしたアルファタウリのピエール・ガスリーを筆頭に、オープニング・セッションで4台中3台がトップ7に入る好スタートを切った。

日没後、495本の人工照明塔がコースを明るく照らし出す中で行われたFP2では、マックス・フェルスタッペンがルイス・ハミルトン(メルセデス)に続く2番手タイムを記録。ピエール・ガスリーとダニール・クビアトもこれに続き、6番手と9番手タイムをマークした。

ただしアルボンは、ソフトタイヤでのフライングラップ中に最終ターン15でアウト側に膨らみ、車体右側から激しくウォールに激突した。RB16は大破してコース上には大量のデブリが飛散。セッションは赤旗中断となった。時計の針が終了を告げる前にヘルメットを脱ぐ事となったが、アルボンも10番手につけ、ホンダPU勢は全車がトップ10以内で初日を終えた。

順位 ドライバー チーム タイム
2 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:29.318 +0.347 34
6 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:29.551 +0.580 35
9 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 1:29.900 +0.929 34
10 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:30.014 +1.043 17

初日を振り返ったホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは「FP2でアルボン選手がクラッシュするトラブルはあったものの、それを除くとPUとしては順調な一日になりました」と語った。

「午前に雨が降り、それ以降も雲に覆われた天候であったため、両セッション共、例年とは少々異なる低い外気温度と路面温度コンディションの中で行われました。予選も決勝も日没後の開始となるため、外気温度と路面温度の推移などに注意しながら、今日のデータを参考にしてPU及び車体双方それぞれのセッティングを進めていきます」

気になるのはアルボンのクルマに搭載されていたパワーユニットだが、田辺豊治テクニカル・ディレクターは「これからダメージの詳細確認を進めます」と述べるに留めた。

なおレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、ギアボックスは金曜専用品であった事を明かした上で、現時点ではモノコックとエンジンに問題はなさそうだとの認識を示している。


F1バーレーングランプリ3回目のフリー走行は日本時間11月28日(土)20時から、公式予選は同23時から1時間に渡ってバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催される。

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