ルクレール 4年連続ポール!ノリス敗退の波乱とアルボン珍事…ガスリーは失格 / F1アゼルバイジャンGP 2024《予選》結果と詳報
2024年シーズンのFIA-F1世界選手権第17戦アゼルバイジャンGP予選が9月14日にバクー市街地コースで行われ、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が圧巻の4年連続ポールポジションを獲得した。
角田裕毅(RB)は12番手。ランド・ノリス(マクラーレン)がQ1で敗退する波乱に加えて、インダクションポッド用の冷却ファンの取り外しミスにより、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)がQ3最終ラップを走れない珍事が発生した。
バクーはカレンダーの中で最も過酷なサーキットの一つであり、予選1ラップで好タイムを刻むためにはリスクを負う必要があるが、それは容易にクラッシュし得ることを意味する。3回のフリー走行では壁との衝突による赤旗中断が3度発生し、ランオフに飛び出て黄旗が振られるシーンが多発した。
オスカー・ピアストリはカルロス・サインツを退け、フェラーリの最前列独占を阻止する2番手タイムを刻んだが、タイトル争いを繰り広げるチームメイトのノリスは、エステバン・オコン(アルピーヌ)を原因とする黄旗に翻弄され17番手と、まさかのQ1敗退を喫した。
Q1に向けてメカニック総掛かりで作業が行われていたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)はQ3最初のラップで、事実上の最終コーナーであるターン16の縁石に乗り上げ体勢を大きく崩し、最終ラップで自己ベストを更新したものの6番手に留まった。
初日を終えてポール争いに自信をのぞかせていた僚友セルジオ・ペレスは、ジョージ・ラッセル(メルセデス)を0.061秒差で振り切り、2列目4番グリッドを持ち帰った。フェルスタッペンが予選でチームメイトに敗れたのは昨年のマイアミGP以来、初めてだ。
4列目7番グリッドはルイス・ハミルトン(メルセデス)。隣の8番グリッドにはフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が並ぶ。ランス・ストロールが15番手でQ2敗退を喫したため、バクーで好調のアストンはダブルQ3進出を逃すこととなった。
Q3最終ラップ前のピットレーン出口には奇妙な光景が広がった。エアボックスに冷却用ファンが付いたままコースに送り出されたため、アルボンはコックピットに座ったまま、自力でこれを取り外さなければならない事態に見舞われた。
結果、チェッカーまでにスタートラインを超えることができなくなり10番手に甘んじた。ただ、ウィリアムズにとっては必ずしも最悪の結果だったというわけではない。
キャリア2戦目を迎えたフランコ・コラピントは、プラクティスでクラッシュを喫するミスがあったものの、見事にQ3進出を果たして9番グリッドを持ち帰った。
同じくルーキーのオリバー・ベアマン(ハース)も印象的な結果を残した。
F1史上初となる累積ペナルティポイントによる1レースの出場停止処分を受けたケビン・マグヌッセンに代わり、VF-24のステアリングを握った19歳のイギリス人ドライバーは、FP3でのクラッシュを経て、コンマ1秒及ばずQ3を逃したものの、経験豊富なチームメイト、14番手に留まったニコ・ヒュルケンベルグをコンマ2秒上回る11番手をマークした。
チームメイトのダニエル・リカルドが0.210秒遅れの16番手でノックアウトした一方、11番手でQ1を突破した角田裕毅は、Q2でも奮闘したがQ3には0.195秒届かず、12番手でクルマを降りた。
3回のフリー走行を通して下位に沈んでいたピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、予選で一気にパフォーマンスを上げ、4番手でQ1を突破すると、Q2ではニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)やランス・ストロール(アストンマーチン)を抑えて13番手を刻んだ。
しかしながら、セッション終了後の車検で「瞬間燃料流量超過」があったことが判明し、予選失格処分が下された。
決勝レースは日本時間9月15日(日)20時にフォーメーションラップが開始され、1周6,003mのバクー市街地コースを51周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
2024年F1第17戦アゼルバイジャンGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
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1 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:42.775 | 1:42.056 | 1:41.365 | 20 |
2 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 1:43.033 | 1:42.598 | 1:41.686 | 19 |
3 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:43.357 | 1:42.503 | 1:41.805 | 23 |
4 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:43.213 | 1:42.263 | 1:41.813 | 15 |
5 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:43.139 | 1:42.329 | 1:41.874 | 20 |
6 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:43.097 | 1:42.042 | 1:42.023 | 20 |
7 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:43.089 | 1:42.765 | 1:42.289 | 22 |
8 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 1:43.472 | 1:42.426 | 1:42.369 | 19 |
9 | 43 | コラピント | ウィリアムズ | 1:43.138 | 1:42.473 | 1:42.530 | 20 |
10 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:42.899 | 1:42.840 | 1:42.859 | 19 |
11 | 50 | ベアマン | ハース | 1:43.471 | 1:42.968 | 14 | |
12 | 22 | 角田裕毅 | RB ホンダRBPT | 1:43.337 | 1:43.035 | 16 | |
DQ | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 0 | |||
13 | 27 | ヒュルケンベルグ | ハース | 1:43.101 | 1:43.191 | 14 | |
14 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:43.370 | 1:43.404 | 14 | |
15 | 3 | リカルド | RB ホンダRBPT | 1:43.547 | 9 | ||
16 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:43.609 | 7 | ||
17 | 77 | ボッタス | ザウバー | 1:43.618 | 7 | ||
18 | 24 | 周冠宇 | ザウバー | 1:44.246 | 10 | ||
19 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:44.504 | 8 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 27℃ |
路面温度 | 37℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1アゼルバイジャンGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | バクー市街地コース |
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設立 | 2016年 |
全長 | 6003m |
コーナー数 | 20 |
周回方向 | 時計回り |