マクラーレン「起きるべきではなかった」FIAを批判…ノリスQ1敗退のバクー黄旗を巡り
ランド・ノリスがQ1敗退を喫したF1アゼルバイジャンGP予選を経てマクラーレンのアンドレア・ステラ代表は、フラッグ運用を巡って国際自動車連盟(FIA)を批判した。
ステラによると、ノリスが17番手で今シーズン初のQ1敗退を喫したのは、黄旗に関するオペレーションをFIAが誤ったことが原因だった。
ノリスはセクター1・2で自己ベストを刻んでいたものの、最終セクターに入る直前に一瞬、黄旗が振られ、アクセルを緩めざるを得ない状況に見舞われた。
これは、エステバン・オコン(アルピーヌ)がラップ序盤のターン4で接触し、低速でピットに戻っていたことによるものだった。
予選を経てステラは、「なぜ、あのタイミングでイエローフラッグが提示されたのかについてFIAと話し合っているところだ。おかげで著しく大きな代償を支払うことになった」と語った。
「フライング・ラップ中でもない1台のマシンが遅く走っている状況に黄旗は必要ない。だから、なぜそうなったのかをFIAと話し合っている」
「誰もが最善を尽くしたと思うが、今回は、レギュレーションに照らし合わせても、本来起きるべきではなかった」
ステラは、黄旗ではなく、減速の義務がない白旗(コース上に低速走行車両がいることを知らせる旗)を提示すべきだったと考えている。
「(黄旗が)提示されたのはギリギリのタイミングだった。ツールで確認したところ、確かにイエローが表示されていた」とステラは語る。
「我々はその代償を払ったが、諦めたりしない。気を取り戻して、明日は大量のポイントを獲得するために全力を尽くす」
マクラーレンは今季これまで、全てのレースでダブルQ3進出を果たしていたが、その記録は途絶えた。
オスカー・ピアストリが最前列2番グリッドを獲得したことからも分かるように、クルマに問題があったわけではない。
選手権をリードするマックス・フェルスタッペンが予選6番手に留まったことはマクラーレンにとって朗報だが、ノリスの慰めにはならなかった。
「他のみんなは2ラップを走ったのに、僕だけそれができなかった。運が悪かった。そういうことだよ。アクセルを戻さなきゃならなかった」とノリスは予選を振り返った。
「このコースでは前のクルマについていくのは殆ど不可能だし、みんなが思っているよりオーバーテイクはずっと難しいと思う」
「この考えが間違っていることを願うけど、期待はしていない。後方にはダウンフォースをかなり低く抑えているクルマが多いし、追い抜くのは殆ど不可能だと思う」
バクーでの週末に向けてマクラーレンは、チーム内交戦規定「パパイヤ・ルール」を改訂し、ピアストリよりノリスを優先する方針を明らかにしていたが、今回ばかりはその出番はなさそうだ。