ストフェル・バンドーン
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世にも奇妙なF1、予選最下位&35グリッド降格にも関わらず決勝スタート順位が上がる不思議

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予選は事実上の最下位となる19番手、これに加えてエンジン交換による計35グリッドもの降格ペナルティが科せられるマクラーレン・ホンダのストフェル・バンドーンだが、決勝では予選順位よりも良いポジションからスタートする事になる。

2017年のアゼルバイジャンGP予選では、世にも奇妙でF1史上最も奇奇怪怪な順位アップが生まれることになった。どうしてこのような不可思議な現象が発生したのだろうか?

ストフェル・バンドーンは今シーズン4基目となるICEとMGU-Kを投入するが、こちらはペナルティの対象外。降格の原因となったのは、立て続けに2基ずつ投入されたMGU-Hとターボチャージャー。これらはそれぞれ6基目と7基目の投入となるため、(10+5)✕2=30グリッド分の降格対象となる。バンドーンのマシンはさらに、予定外のギアボックス交換も発生したため、30に5を加えた35が合計の降格グリッド数となった。

PU交換のペナルティの仕組みについては、F1レギュレーション-パワーユニット&ERS編を参照されたい。

一方のチームメイト、フェルナンド・アロンソは合計40グリッド降格となるため、バンドーンよりもアロンソの方が後方スタートを余儀なくされる。本来であればこれで全てが完結し、予選19番手のバンドーンはペナルティを受けても19番手という、運命的なポジションから決勝を戦う事になったはずなのであるが、この運命をルノーのジョリオン・パーマーが狂わせた。

FP3での高圧燃料漏れによってマシンが炎に包まれたパーマーは、予選セッションを1周たりとも走行することが出来なかった。そのため、マクラーレン・ホンダ勢のペナルティの有無とは無関係に、パーマーがグリッド最後尾に追いやられる事になったのだ。

予選最下位のバンドーンは、アロンソとパーマーが最後列に回ったことで必然的にポジションが上がり、結果18番グリッドが決定したというわけだ。

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