2021年6月6日のF1アゼルバイジャンGPで3位表彰台を獲得したアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーを称えるホンダF1の山本雅史マネージング・ディレクターとレッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコ
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ホンダF1本橋CE、パワーユニットから見たF1アゼルバイジャンGPと7位入賞果たした角田裕毅を語る

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ホンダF1の本橋正充スクーデリア・アルファタウリ担当チーフエンジニアが、バクー市街地コースで行われたF1第6戦アゼルバイジャンGP決勝を振り返り、パワーユニット側の取り組みや角田裕毅のレース内容、今後のチャンピオンシップへの意気込みなどを語った。

アルファタウリ・ホンダは6日に行われた51周のレースで、ピエール・ガスリーが3位表彰台を獲得し、角田裕毅が開幕バーレーンGP以来となる7位入賞を飾る大健闘を見せた。

ホンダF1の本橋正充と話をする角田裕毅、2020年11月4日イモラテストにてcopyright Honda Motor Co., Ltd

本橋正充CEと話をする角田裕毅、2020年11月4日イモラテストにて

本橋正充CEはパワーユニット側から見たバクー市街地コースについて「狭い街中を走る入り組んだセクターと、エンジン負荷が高いロングストレートの組み合わせ」が特徴であり、パワー、ドライバビリティー、エネルギーマネージメントといった様々な要素のバランスをどう調整するかが「非常に難しい」と説明した。

中でもエネルギーマネジメントのセッティングが「非常に難解」との事だが、HRD-SakuraとHRD-UKが積み上げてきた努力と経験によって「可能な限りのパフォーマンスを発揮できた」と評価した。

F1アゼルバイジャンGPが開催されるバクー市街地コースのコースレイアウト図2021年版

2度に渡ってセーフティーカーが導入される荒れた展開となった事で、レースオペレーションを担当するエンジニアとしては「すごく忙しく、かつ疲れるレースになった」と言うが、ガスリーの表彰台獲得によってその努力が報われたと語った。

2021年6月6日のF1アゼルバイジャンGPを終えて表彰台に上がったレッドブル・ホンダのセルジオ・ペレスとアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーCourtesy Of Red Bull Content Pool

表彰台に上がったセルジオ・ペレスとピエール・ガスリー

角田裕毅については、予選でクラッシュがあったものの「昨日から良いパフォーマンスを見せ、今日も難しいレースを走り切ってポイントを獲得するなど、非常に良い仕事をしてくれました」と評価。更に「ここ数戦は苦しいレースもありましたが、努力する姿を見てきましたし、初めてのコースとなった今週末も、頑張って習熟しながら徐々にパフォーマンスを上げていってくれました」と付け加えた。

ガスリーの15点に加えて角田裕毅が6点を持ち帰った事で、アルファタウリ・ホンダはアストンマーチンを抜き去りコンストラクターズ選手権5位に浮上した。

本橋正充CEは今後も拮抗した争いが続くとする一方で「マシンのポテンシャルは高いので、取りこぼしなくパフォーマンスを出していけば、おのずと結果はついてくると思っています」と前向きな姿勢を見せ、「この後のレースでも、またAlphaTauriと一緒に表彰台に上がれるよう、全力を尽くして戦っていきます!」と締め括った。


6月6日(日)にバクー市街地コースで行われた2021年F1第6戦アゼルバイジャンGPでは、6番グリッドからスタートしたセルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)が2勝目を上げ優勝。2位はセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)、3位表彰台はピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)という新鮮な顔ぶれが並んだ。

ポール・リカール・サーキットを舞台とする次戦フランスGPは、6月18日のフリー走行1で幕を開ける。

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