タイヤを激しくロックアップさせたメルセデスのルイス・ハミルトン、2021年6月6日F1アゼルバイジャンGP決勝レースにて
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ルイス・ハミルトン、”屈辱的”な失態で2位失い無得点…原因は”ブレーキマジック”

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7度のF1ワールドチャンピオンらしからぬ光景だった。2位を手にチャンピオンシップ逆転が確実な状況の中、ルイス・ハミルトン(メルセデス)は残り2周で「屈辱的」な失態を犯した。

6日(日)のF1アゼルバイジャンGP決勝最終盤、チャンピオンシップを争うライバルのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がタイヤトラブルと思しき理由によって大クラッシュを喫した事でハミルトンは2番手に浮上した。

ただ、何よりも重要なのはフェルスタッペンがノーポイントに終わったという事実であり、ポジションの違いではなかった。ミスをせず、無理をせず、残り3分強を走りきりさえすれば良かった残り2周のスプリントレースで”まさか”が起きた。

ハミルトンはレース再開と同時に路面を力強く蹴り出すと、前を行くセルジオ・ペレスの脇に並んでサイド・バイ・サイドに持ち込み、ターン1のイン側からオーバーテイクを狙ったが、タイヤを激しくロックアップさせ、そのままエスケープゾーンに吸い込まれていった。

結果、完走16台中16位という事実上の最下位でレースを終える事となり、チームメイト共々ノーポイントで、ドライバーズランキングでの逆転が叶わなかったばかりか、コンストラクターズ選手権でのレッドブル・ホンダのリード拡大を許す事となった。

ハミルトンにはそうした自覚はなかったというが、レースエンジニアのピーター・ボニントンによると「ブレーキ・マジック」が作動しっぱなしになっていたという。

メルセデス車に搭載されている「ブレーキ・マジック」はステアリング上で操作可能なプリセットの一種で、ブレーキバランスやストラットモード、ディスプレイの表示方法を一括変更できるとされる。

ブレーキ・マジックがオンになると、ブレーキのフロントバイアスの値が増加するようだ。

セーフティーカー先導下でタイヤを暖めるため、ハミルトンはピットアウト後の周回でブレーキ・マジックをオンにしていた。通常スタート前にはこれをオフにするが、何らかの手違いでオンの状態のままターン1に向かっていってしまったようだ。

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ハミルトンは「チェコ(ペレス)が僕の方に寄ってきた際にスイッチを触ってしまったんだと思う」と述べ「本当に受け入れがたい」と肩を落とした。

「ポイント獲得のために一生懸命働いてくれたチームのみんなに本当に申し訳ないと思ってる。立て直し、更に強くなって次のレースに戻ってきたい」

「もちろん正直に言って、本当に惨めな経験だ。今週末、僕らは巻き返すために懸命に努力してトップ10内に戻ってきたというのに」

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