ルクレール圧勝!フェルスタッペン、今季2度目DNF「許されない」燃料漏れ / F1オーストラリアGP《決勝》結果とダイジェスト

ラップをリードするスクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレール、2022年4月10日F1オーストラリアGP決勝レースCourtesy Of Ferrari S.p.A.

2022シーズンFIA-F1世界選手権 第3戦オーストラリアGPの決勝レースが4月10日(日)にアルバート・パーク・サーキットで行われ、フェラーリのシャルル・ルクレールが後続を20秒以上引き離して今季2勝目、通算4度目のポール・トゥ・ウインを飾った。

圧勝だった。ルクレールは一度もリードラップを許す事なく、ファイナルラップには1分20秒260のファステストを記録。満額26ポイントを手にしてチャンピオンリーダーの座を更に固めた。

2位はセルジオ・ペレス。レッドブル・レーシングのチームメイト、マックス・フェルスタッペンは2番手を走行していた39周目にピットからの指示を受けてターン2でクルマを停めた。車体からは炎が上がり、フェルスタッペンは「変な液体の匂いがする」と報告した。

開幕3戦で2度目のリタイヤを余儀なくされたフェルスタッペンは「僕らは遥かに遅れている。レースを完走しなきゃならない。今日はタイヤマネジメントが上手くいかずシャルルとは戦えなかった。2位は余裕で手が届く状況だったが完走さえできなかった。タイトル争いをするのであれば、こんな事は許されない」と肩を落とした。

メカニカルトラブルについてチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは「タンクの外側にある燃料システムの問題が原因のようだ」として、この日の結果を「絶望的なまでにフラストレーションが溜まる」と表現した。

またレッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは燃料漏れが起きていたとして「ガソリンが大量に漏れてしまったため、すぐに止めるべきだと言ったんだ。できれば消火器があるところでね」と述べ、開幕バーレーンGPで発生したものとは別の種類のトラブルだと説明した。

3位表彰台にはセーフティーカー(SC)の導入によってアドバンテージを得たジョージ・ラッセルが上がり、4位にはルイス・ハミルトンと、メルセデスの2台が続いた。

シルバーアローの後ろにはマクラーレン勢が並んだ。ランド・ノリスは地元の英雄、チームメイトのダニエル・リカルドをコンマ4秒差で退け5位入賞を果たした。

7位にはエステバン・オコン(アルピーヌ)、8位にはバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)が続き、9位にはピエール・ガスリー(アルファタウリ)が並んだ。ガスリーが追い抜きによってポジションを上げていった一方、角田裕毅は巻き返せず15位と、ポジションを落としてクルマを降りた。

最後の入賞枠、10位にはウィリアムズのアレックス・アルボンが滑り込んだ。予選失格に伴い最後尾からスタートしたアルボンは、バーチャルを含めた2度のセーフティーカー導入にも関わらずステイアウトを続けて7番手を走行。見事なタイヤマネジメントでファイナルラップを前にピットインを行い、驚きの1ポイントを持ち帰った。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

スタート直後のホームストレート、2022年4月10日F1オーストラリアGP決勝レース

第3戦の舞台となったアルバート・パーク・サーキットは1996年の初開催以来、初めてコースレイアウトが変更された。ターン1、3、6を含む5つのコーナーが大幅に拡張され、セクター2のシケインは撤去された。路面も全面的に再舗装された。また、ピットレーンの制限速度も80km/hに引き上げられた。

公式タイヤサプライヤーのピレリはC2、C3、そして一つ飛ばしのC5コンパウンドを投入した。フェルナンド・アロンソ、カルロス・サインツ、ケビン・マグヌッセン、セバスチャン・ベッテル、ランス・ストロール、そしてアルボンがハードをスタートタイヤに選択。その他はミディアムを履いた。

決勝は日本時間10日(日)14時にブラックアウトを迎え、1周5,279mのコースを58周する事で争われた。現地メルボルンは晴れ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温26.7℃、路面39.4℃、湿度44%、気圧1014.4hPaのドライコンディションで開始された。

オープニングラップではルクレールがターン1でリードを維持。路面を上手く蹴り出したハミルトンは、フェルスタッペンとの接触を避けるべく一歩引いたペレス、そしてノリスを交わして3番手にまでポジションを上げた。アルファタウリ勢も2ポジションアップと好スタートを切った。

ハードタイヤを履いてスタートしたサインツは5つポジションを落とし、2周目にコースオフを喫してグラベルの餌食となった。車両回収のために早くもSCが導入された。これを利用してストロールはタイヤ交換義務を消化。まずはミディアムタイヤに履き替え、翌周に再びハードを装着したが、ホームストレートでウェービングをしたとして5秒ペナルティが科せられた。

レースは7周目にリスタートを迎えた。ペレスは10周目にハミルトンを抜き去り3番手にポジションを戻した。同じ周にベッテルはターン11コースオフを喫して最後尾19番手にまで後退した。

上位勢の中では、8番手を走行していたオコンが先陣を切って18周目にピットイン。ハードタイヤに履き替えた。翌周には左前輪のグレイニングを訴えていた2番手フェルスタッペンがハードタイヤに履き替えた。ペレスも21周目にタイヤ交換を消化した。

ラップリーダーのルクレールとハミルトンは22周目にピットイン。ルクレールはトップのまま、ハミルトンはペレスをオーバーカットして5番手でそれぞれコースに戻った。ただハミルトンはタイヤに熱が入らず、早々にペレスに追い抜きを許した。

その直後、ベッテルがコーナーからの立ち上がりでリアを失いバリアに激突。セーフティカーが導入された。これにより第1スティントを引っ張っていたラッセルが大きなゲインを得てピット作業を行い、3番手にまでポジションを上げた。SC下では、ミック・シューマッハがホームストレートであわや角田裕毅のリアに接触かという場面があった。

27周目に再スタートされた。ペレスはラッセルと激しいバトルを演じ、37周目に再び3番手に返り咲いた。

39周目、フェルスタッペンがピットからの指示に従いターン2でクルマを停めた。車体からは炎が上がり、バーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入された。フェルスタッペンは「変な液体の匂いがする」と報告した。アロンソを含めたハードスタート勢はこれを機にタイヤ交換を終えたが、アルボンはステイアウトを選んだ。

ストロールを追い抜きあぐねていたガスリーは50周目のターン1でオーバーテイク。9番手に浮上するも、54周目にターン13でコース外に飛び出し、ボッタスに9番手を許した。

2022年F1第3戦オーストラリアGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 58 1:27:46.548 26
2 11 セルジオ・ペレス レッドブル 58 +20.524s 18
3 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 58 +25.593s 15
4 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 58 +28.543s 12
5 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 58 +53.303s 10
6 3 ダニエル・リカルド マクラーレン・メルセデス 58 +53.737s 8
7 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 58 +61.683s 6
8 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 58 +68.439s 4
9 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ 58 +76.221s 2
10 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 58 +79.382s 1
11 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 58 +81.695s 0
12 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 58 +88.598s 0
13 47 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 57 +1 lap 0
14 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 57 +1 lap 0
15 22 角田裕毅 アルファタウリ 57 +1 lap 0
16 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 57 +1 lap 0
17 14 フェルナンド・アロンソ アルピーヌ・ルノー 57 +1 lap 0
NC 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル 38 DNF 0
NC 5 セバスチャン・ベッテル アストンマーチン・メルセデス 22 DNF 0
NC 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温26.7℃
路面温度39.4℃
周回数58

セッション概要

グランプリ名 F1オーストラリアGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 アルバート・パーク・サーキット
設立 1996年
全長 5278m
コーナー数 14
周回方向 時計回り

F1オーストラリアGP特集

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