フェルナンド・アロンソと中嶋一貴とセバスチャン・ブエミ、2018-2019WEC最終ル・マン24時間レーステストデーにて
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俺は利己的じゃない…とフェルナンド・アロンソ「貰った賞金はメカニックと分け合っていた」と反論

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フェルナンド・アロンソは、自身が一部の批評家から「利己的」「自分勝手」と呼ばれている事について、「貰った賞金はメカニックと分け合っていた」とのエピソードを披露して、自らはチームプレイヤーであり周りへの配慮を怠ったりはしないと反論した。

アロンソは”政治的過ぎる”と言われるなど、付き合うには厄介な気質を持ち合わせているとみなされているところがある。例えば、フェラーリ時代の上司であり2014年まで跳馬の会長を務めていたルカ・ディ・モンテゼーモロは、利害関係が消滅していた昨年、アロンソを優れたドライバーであると評価する一方で、人格的には扱いにくいと評した。

「利己的」とは、自分の利益のみを追求しようとする姿勢や気質のことだ。”世界”という存在が人と人との関係で成り立っている以上、相手の立場に立った発言や振る舞いが求められるのは古今東西問わずと言えるが、モータースポーツ、特にF1は、非常に広範かつ多くの人達が関わり合って行うチームスポーツであるだけに、利己的である事はネガティブな結果をもたらし得る。

F1を去った後、トヨタと共に世界耐久選手権を制し、チャンピオン獲得後はダカールラリーに参戦するなど、幅広い領域で活動を続けるアロンソはこの程、イギリスの雑誌「F1 Racing」とのインタビューの中で、利己的との批判に対して「フェラーリや他のチームに在籍していた時、僕はいつだって自分の賞金ボーナスをメカニックのみんなと分け合っていた」と述べ反論した。

「チームワークなくして、表彰台に上がったりレースで優勝する事は出来ない。僕はそう考えていた。だからもし3万ドル貰ったならば、そのお金は自分のチームのみんなと分け合う」とアロンソは続ける。

「プロジェクトに参加する時、僕はチームに対して100%コミットする。僕は自分の人生をチームに捧げながら生きてきた。チームの人間はその事を重々承知していると思う。僕は決してわがままな人間なんかじゃない」

実際にアロンソが利己的かどうかはさて置き、アロンソのF1での最後のチームメイトとなったストフェル・バンドーンが興味深い発言を残している。昨シーズンからフォーミュラE選手権に参戦している27歳のベルギー人ドライバーは昨年末、母国メディアに対して「マクラーレンには、アロンソが意のままに振る舞えるように取り計らうメンバーが常に数人いて、彼にあらゆる権限を与えていた」と語った。

思い通りに好き勝手ができてしまう環境がアロンソを利己的に見せたのか、はたまた、アロンソが利己的であるためにマクラーレンがそのような環境を提供したのか。真実は如何に。