アレックス・アルボン、2021年レッドブル・ホンダ残留に向けて残された猶予はあと僅か
アレックス・アルボンは、自身が2021年のレッドブル・ホンダのシートに足る事を”早々に”チーム首脳陣に納得させる必要がある。残された猶予は後わずかだ。クリスチャン・ホーナー代表はイモラで行われる次戦エミリア・ロマーニャGPがリミットだと仄めかしている。
マックス・フェルスタッペンという強力過ぎるチームメイトを相手にF1での2シーズン目を過ごすアルボンは、対チームメイト成績で予選全敗を喫するなど、同じマシンを駆る将来のF1ワールドチャンピオン候補に大きく遅れを取っている。
ムジェロで初開催されたトスカーナGPで自身初のF1表彰台を獲得した事で2021年に向けた展望が開けたかに思われたが、続くロシアとドイツでは再び低調傾向となり、ホンダF1のワークスチームとして世界選手権制覇を狙う2021年の最終シーズンで、チームから求められる役割を果たせるのか疑問視されている。
レッドブルはファクトリー勤務に移っていたベテランのサイモン・レニーを現場に呼び戻してアルボンのサポートに当たらせるなど、一貫してバックアップしてきたが、クリスチャン・ホーナーは25日に控えるポルトガルGPの決勝レースを前にアルボンに発破をかけ、来年のシートは次の2戦でのパフォーマンス次第だと仄めかした。
「アレックスには来季シートに足る事を証明し、自分以外の選択肢を考慮する必要性がないことを正当化して欲しいと思っている」とクリスチャン・ホーナーは語る。
「チーム内の誰もが、彼にそうした期待を抱いていると思うし、ムジェロでのレースをきっかけに流れが変わり始めたように感じられた」
「彼はこれまで何度か難しい週末を過ごしてきた。だからこそ、ここ(ポルトガル)で立ち直ってみせる必要があると思うし、特に次のイモラでは、最初から最後まで本当に力強い走りを見せてもらう必要がある」
「彼はチームの人気者だが、メルセデスと戦うためには2台のクルマが揃って彼らに接近しなければならない。我々が目指しているのはそういう事なんだ」
クリスチャン・ホーナーが「イモラ」の名を挙げたのには裏付けがある。チームの人事権を一手に握るヘルムート・マルコはレッドブル系チームの来季の4つのシートに関して、イモラの翌戦に控えるトルコGPの週末までに確定させたいとの意向を示している。
ヘルムート・マルコはまた、アルボンが期待通りの成績を残せない場合はアルファタウリのドライバーを昇格させるのではなく、ニコ・ヒュルケンベルグがセルジオ・ペレスが来季RB16Bのステアリングを握る可能性を仄めかしているが、クリスチャン・ホーナーもこれを追認する。
「思うに、アルファタウリの方は来季のドライバーに関して殆ど話がついているように思う。何度か言っているように、我々はアレックスを最優先に考えている」とクリスチャン・ホーナー。
「だが、もし仮に別の解決策を探すとなれば、間違いなくレッドブルドライバー以外を探さなければならないだろう。マーケットには、来年フリーとなる可能性がある才能あふれるドライバーが何人かいるわけだからね」
来季アルファタウリ・ホンダは、F1出走要件であるスーパーライセンスが取得できさえすれば、角田裕毅がピエール・ガスリーのチームメイトを務める見通しとなっている。