スプリント予選を経てインタビューに応えるアレックス・アルボン(ウィリアムズ・レーシング)、2025年5月2日(金) F1マイアミGP(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)
Courtesy Of Williams

アルボン「終始マックスが視界にいるなんて!」レッドブル時代にもなかった景色に興奮―5位入賞でFW47の進化に手応え

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2025年F1第6戦マイアミGPで5位フィニッシュを果たしたアレックス・アルボン(ウィリアムズ)は、レッドブル時代でさえ、レースを通して終始、マックス・フェルスタッペンの姿を視界に捉え続ることはできなかったと語り、ウィリアムズFW47の進化に満足感と高揚感を示した。

ウィリアムズ移籍以来、アルボンがトップ5フィニッシュを果たしたのは、今季開幕オーストラリアGPを含めて2回しかないが、アルボンにとってはリザルトもさることながら、レースを通じて4度のF1ワールドチャンピオンと同じ景色を見れたことが、大きな意味を持っていた。

フェルスタッペンは、アルボンに8.111秒差をつけて4位でフィニッシュした。両者はいずれも、バーチャル・セーフティーカー(VSC)導入前にピットストップを終えていたため、導入後にタイヤ交換を行ったジョージ・ラッセル(メルセデス)にアンダーカットを許し、順位を落とす結果となった。

中国人プロゴルファーで恋人のへ・ムニ(リリー)と並んで歩くアレックス・アルボン(ウィリアムズ)、2025年5月4日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)Courtesy Of Williams

中国人プロゴルファーで恋人のへ・ムニ(リリー)と並んで歩くアレックス・アルボン(ウィリアムズ)、2025年5月4日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)

レース後、終始笑顔を見せながらインタビューに応じたアルボンは、「まだパルクフェルメやエンジニアリングチェックが残ってるけど、まあ“触らぬ神に祟りなし”だね!」と冗談交じりに切り出し、次のように週末を振り返った。

「クルマのペースは本当に良かった。ただ、エンジンがオーバーヒート気味で、カルロス(サインツ)を早めに抜くことがすごく重要だった。そしてそのあとメルセデスにも追いついて…正直、本当にいいペースだったよ!」

「VSCがなければジョージ(ラッセル)を抜いて4位もあったかもしれない。そう考えるとクレイジーだよね! それに、表彰台が目に見える距離にあったなんて本当に驚きだし、レース全体を通してジョージとマックスがずっと目の前にいたんだから。セーフティーカーが出たわけでもないのにね」

「スタートからフィニッシュまでマックスを視界に捉えたなんて、レッドブル時代にもなかったと思うよ!だから本当に嬉しかった。それだけ、今のウィリアムズが進歩してるってこと。このサーキットが僕らに合ってたのは確かだけど、それでも今日はホント、嬉しい」

シャルル・ルクレール(フェラーリ)をリードするカルロス・サインツ(ウィリアムズ)、2025年5月4日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)Courtesy Of Williams

シャルル・ルクレール(フェラーリ)をリードするカルロス・サインツ(ウィリアムズ)、2025年5月4日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)

この日の結果は、前日のスプリントでの失意を乗り越えた“雪辱”でもあった。アルボンは、セーフティカー先導ラップで指定ラップタイムを上回ったとしてペナルティを科され、入賞を剥奪された。

「昨日はすごく感情的な一日だった」とアルボンは打ち明ける。「スプリントでペナルティを受けてしまい、予選に向けて気持ちを切り替えるのが難しかった。何だか変な一日だったけど、昨日の夜はよく眠れて、しっかりリセットできたから、今日は思い切って攻めたんだ」

ウィリアムズは今季ここまでに37ポイントを獲得しており、すでに昨シーズン通算ポイントの2倍以上を稼ぎ出している。FW47は明らかに中団上位に食い込む競争力を備えてきており、アルボンもその進化を実感している。

「レース終盤は、僕らがコース上で最速のクルマの一台だったと思う。これって最高の逆転劇だよね。週末を通してクルマの感触はずっと良かったし、FP1の最初のラップから『これはいい週末になる』って感じてたんだ」

「もちろん、毎回こんなふうにはいかないかもしれない。でもだからこそ、こういうチャンスはしっかりモノにしなきゃ。その意味で昨日は本当に悔しかったけど、今日はちゃんと結果で証明できた。だからそれが本当に嬉しい」


2025年F1第6戦マイアミGPでは、4番グリッドからスタートしたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が3連勝を飾った。2位はランド・ノリス(マクラーレン)。3位表彰台はジョージ・ラッセル(メルセデス)という結果となった。

イモラ・サーキットを舞台とする次戦エミリア・ロマーニャGPは、5月16日のフリー走行1で幕を開ける。

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