
40秒差完敗の理由―フェルスタッペン「やっぱり差が出るよね」“ジンクス”破れず4位
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は2025年F1第6戦マイアミGPの決勝をポールポジションからスタートしたものの、RB21の競争力不足と不運なピットタイミングが重なり4位と後退。マイアミで続く“ポールシッターのジンクス”を破ることはできなかった。
2022年の初開催以来、マイアミGPでポール・トゥ・ウインを果たしたドライバーは存在しない。フェルスタッペンは昨年もここでポールを獲得しているが、ランド・ノリス(マクラーレン)に逆転を許している。
序盤トップ死守も、マクラーレン勢に白旗
スタート直後は首位を維持するも、タイヤとブレーキに悩まされ徐々にペースが低下。14周目にはマクラーレンのオスカー・ピアストリに先行を許し、17周目にはピアストリのチームメイトであるノリスと激しい攻防を展開することとなった。
ターン11で一度は抜かれたものの、続くターン17で即座にポジションを奪い返す粘りを見せた。しかし18周目には再びノリスにかわされ、3番手に後退。以後、マクラーレンの2台はファステストラップを連発し、フェルスタッペンを大きく引き離していった。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
トップ争いを繰り広げる中でタイヤをロックアップさせるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、2025年5月4日(日) F1マイアミGP決勝(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)
明暗分けた“1周差”のVSCタイミング
27周目、ハースのオリバー・ベアマンがターン8でストップしたことで、レースコントロールはバーチャル・セーフティカー(VSC)を導入。このタイミングでマクラーレン勢とジョージ・ラッセル(メルセデス)がピットインし、大きなアドバンテージを得た。
一方、フェルスタッペンはVSC導入のわずか1周前にタイヤ交換を済ませていたため、ラッセルにアンダーカットを許して順位を奪われ、最終的に4位でチェッカーを受けることとなった。
熱ダレがもたらした競争力格差
レース後、フェルスタッペンは「正直、かなり苦しいレースだった」と振り返り、「単純にペースが足らなかったし、タイヤのオーバーヒートも酷かった」として、クルマに競争力がなかったと明かした。
「それに、VSCに関しても、少し運がなかったね。でも、それもレースの一部だからしょうがない」
トップチェッカーを受けたピアストリとの差は39.956秒に達した。これは、レッドブルが全22戦中21勝を挙げた2023年シーズンの「RB19」による支配的な強さを想起させるような、大差であった。
この差についてフェルスタッペンは、「デグラデーションが少ないサーキットだと、その差があまり目立たないこともあるけど、今日みたいにサーマル・デグラデーションが大きいサーキットでは、やっぱり差がハッキリと出るよね。これはマクラーレンが持つ以前から強みだから」と分析した。
「正直、失うものは何もなかったから、少しでも楽しもうと思って走ったんだ。昨日も言ったけど、自分のベストは尽くすつもりだったし、それは今日ちゃんとできたと思う」と苦笑いを浮かべ、淡々と現実を受け入れる姿勢を見せた。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
決勝後のパルクフェルメに立つ4位のマックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)、2025年5月4日(日) F1マイアミGP(マイアミ・インターナショナル・オートドローム)
2025年F1第6戦マイアミGPでは、4番グリッドからスタートしたオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が3連勝を飾った。2位はランド・ノリス(マクラーレン)。3位表彰台はジョージ・ラッセル(メルセデス)という結果となった。
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