9位入賞を経てインタビューに応じるアレックス・アルボン(ウィリアムズ)、2024年9月1日(日) F1イタリアGP(モンツァ・サーキット)
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アロンソ猛追で映画ジョーズのテーマ曲「亀がレースに勝利!」とアルボン、4戦ぶり入賞で選手権巻き返しへ

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1.039秒差でフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)の猛追を凌ぎ、ウィリアムズに貴重な2ポイントを持ち帰ったF1イタリアGPを経てアレックス・アルボンは、2度のF1王者とのバトルで人喰いザメをテーマにした映画「ジョーズ」のテーマソングが流れたと笑った。

ダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)とニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)がペナルティや接触で戦線離脱したこともあり、9番グリッドに着いたアルボンはそのポジションを守るべく、ケビン・マグヌッセン(ハース)やアロンソと「激しい」争いを繰り広げた。

大逆転優勝を飾ったシャルル・ルクレール(フェラーリ)と同じ1ストップ戦略を採用したアルボンは、ラスト8周で新品タイヤを履いた歴戦の猛者、まさに「ジョーズ」と形容されるに相応しいアロンソにロックオンされるも、その激しい追撃を何とか交わして10位でフィニッシュし、7月頭のイギリスGP以来、4戦ぶりの入賞を果たすと、10秒のタイムペナルティが加算されたマグヌッセンに代わって最終9位に昇格した。

「激しいレースだった。周囲のクルマから激しい攻撃に晒されたという意味じゃないよ。僕は荒野の真っ只中を走っていたからね!」とアルボンは1日を振り返った。

「それでもケビンは10秒ペナルティを受けながらも僕を引き離していき、フェルナンドが新品タイヤで迫ってくるものだから…実際は苦しい状況だった」

「最初のスティントは良い感じだったんだけど、第2スティントではクルマが上手く反応してくれなくて、グレイニングから左フロントを守るために、かなりペースを抑えて走らなきゃならなかった」

「亀がレースに勝つような展開だったね! 僕は兎に角、ゆっくり、ゆっくり走って、左フロントが壊れないように一貫性を保たなきゃならなかった」

「フェルナンドが迫ってきた時には、ジョーズのテーマソングが流れるような感じだったよ! それでも運が良いことに、何とか耐え抜くことができた」

入賞が確実視されながらもフロア規定違反により予選失格となり、これが決定的に響いてポイントを逃したオランダGPから1週間。モンツァでのアルボンの奮闘によりウィリアムズは、コンストラクターズ選手権8位につけるアルピーヌとの差を7点に縮めた。

「僕らにはこういうレースが必要なんだ。この手のチャンスは滅多に訪れない。ザントフォールトでは本来得られるべきポイントを逃し、チャンピオンシップのライバルであるアルピーヌにポイントを与えてしまった」とアルボンは語る。

「僕らはスロースターターの立場にあるような状況で、ようやく争いに戻りつつある。数戦後に新しいアップグレードが予定されているから、それがアルピーヌとの8位争いで役に立つことを願っている。目指すのはそれだ」

「ここ数戦でQ3進出に足るクルマが僕らにあることが証明された。この調子で頑張るよ」


2024年F1第16戦イタリアGPでは、4番グリッドからスタートしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)が1ストップ戦略を採って逆転優勝を飾った。2位はオスカー・ピアストリ、3位はランド・ノリスと、マクラーレン勢がこれに続いた。

バクー市街地コースを舞台とする次戦アゼルバイジャンGPは9月13日のフリー走行1で幕を開ける。

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