ヘルムート・マルコ「右肩上がり」の角田裕毅を称賛しペレスの「大きなミス」を指摘…F1イモラを経て
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、F1第7戦エミリア・ロマーニャGPでの角田裕毅(RBフォーミュラ1)とセルジオ・ペレス(レッドブル)をどのように評価したのだろうか?
ペレスは先日のイモラで今年最も困難な週末を経験した。予選Q2敗退を経て11番グリッドに着くと、レースでは8位までしか挽回できず、ランド・ノリス(マクラーレン)との激戦を制して優勝した僚友マックス・フェルスタッペンとは対照的な結果に終わった。
マイアミまでのペレスは4度の表彰台を獲得するなど、高いパフォーマンスを発揮していたが、イモラでの土曜と日曜のリザルトはいずれも、今シーズン最悪の結果となった。
マルコは週明け恒例の墺スピードウィークのコラムの中で、最終プラクティスの終盤にコースアウトして赤旗の原因を作った事、そして予選Q2でミスを犯した事が週末のターニングポイントになったとの見方を示した。
「セルジオ・ペレスはイモラで、これまでのようなパフォーマンスを発揮しなかった」マルコは説明する。
「3回目のフリー走行でアクシデントに見舞われるまではまずまずだったが、残念ながらその後の予選中にターン7で大きなミスを犯した。これによりコンマ3秒を失い、チェコはQ3に進めなかった」
「ここはオーバーテイクが難しいコースであり、11番グリッドではレースは事実上終わっていた。クルマのパフォーマンスが今ひとつであったため、戦略的にはハードタイヤでスタートする他になかった。ミディアムタイヤでのペースは悪くなかったが、メルセデスを攻撃するには不十分だった」
一方でマルコはイモラでの角田裕毅のパフォーマンスを称賛した。
角田裕毅は週末を通して僚友ダニエル・リカルドに先行し、レースでは蹴り出しに問題を抱えて1周目に2つポジションを失うも、冷静さを欠くことなくアンダーカットとオーバーテイクを経て10位フィニッシュと、過去5戦で4回目となるポイント獲得を果たした。
「角田裕毅はファエンツァ近郊に本拠を構えるレーシング・ブルズのホームレースで素晴らしいパフォーマンスを見せた」とマルコは評価する。
「彼はフリー走行の段階から印象的な走りを見せ、最初のセッションで6番手、FP2では3番手、Q1で4番手、Q2で3番手、そして最終的には予選7番手を獲得し、10位でレースをフィニッシュした。もしQ3でトラフィックに巻き込まれていなければ、彼はラッセルより先でレースをスタートできたかもしれない」
「ユーキは中国を除いて毎週末に渡って素晴らしいパフォーマンスを発揮し続けている。彼はもう殆どミスを犯さず、集中力を切らすこともなく、エンジニアとも上手く協力している」
「少し時間がかかったが、今ではその才能とスピードを巧みに発揮しており、何よりも以前と比べて感情を上手くコントロールできるようになった」
「これは無線にも表れており、感情をコントロールする事、そしてミスをしない事が、彼のパフォーマンスにおいて密接な関係にある事が見て取れる。彼のパフォーマンス曲線は右肩上がりだ」