角田裕毅、2年前であれば「酷い状況に陥ったかも」本当に”イライラ”するウィリアムズを巡り
ローガン・サージェント(ウィリアムズ)の攻略に手間取った事について角田裕毅(RBフォーミュラ1)は、2年前の自身であれば苛立ちのあまりに取り乱し、「酷い状況」に陥っていたかもしれないと認めた。
F1第7戦エミリア・ロマーニャGPで角田裕毅はタイヤ交換のためのピットストップを終えると、サージェントの後方15番手でコースに復帰した。
フレッシュタイヤのアドバンテージを以てすぐに2秒以内にまで接近したものの、追い抜きが極めて困難なイモラでのオーバーテイクは容易ではなく、7周に渡ってFW46のリアウイングを見続けなければならなかった。
それでも角田裕毅は忍耐強く冷静にレースを展開。26周目にサージェントを抜き去ると、34周目には周冠宇(ザウバー)を交わし、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)を抑えて10位でフィニッシュ。2戦連続のポイント獲得を果たした。
例えば2023年のF1メキシコGPでは、焦りから冷静さを欠き、攻めるべきタイミングを見誤った結果、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)と接触し、少なくとも8位入賞のチャンスを失う場面が話題となった。
しかしながら最近、特にチームオーダーに不満をあらわにした今季開幕バーレーンGP以降は目立って冷静で、フラストレーションを感じたとしてもそれを表に出さぬ成熟したメディアとのやり取りが印象的だ。
イモラでの辛抱強いレース運びと、それによる見事なオーバーテイクについて問われた角田裕毅は「ステアリングを握っていてもリラックスできるようになりました。お茶してるわけじゃないですよ!」と笑った。
「全体像が見えるようになったというか、エンジニアともこれまで以上にコミュニケーションが取れていますし、色んな面でコントロールできるようになったおかげで、自分がすべき事だったり、達成しなければならない事を見据えられるようになりました」
「なので、焦ることが少なくなりましたし、それが今日のウィリアムズとのレースで役に立ったのは間違いないと思います」
「正直に言うと、ウィリアムズはストレートスピードが本当に速く、オーバーテイクする上でかなりイライラするクルマなので(笑)、特に2年前の僕なら、すぐに無線で怒りをぶちまけて、もっと酷い結果になっていたかもしれません」
「そういう意味で確実に成長しました。チームが僕の成長を手助けしてくれたんです。彼らのおかげです」
ポイントを獲得したレースの夜は、ジンとベルモット、カンパリを使ったカクテル、ネグローニを飲むという角田裕毅だが、次戦モナコGPはイモラとの連戦となるため「飲めないんです!」との事。モナコ後にぜひ、”2戦分のネグローニ”を堪能してもらいたいところだ。