マクラーレン・ホンダの長谷川祐介。セパンにて
copyright HONDA

マクラーレン・ホンダF1「PUに問題なし、ダブルQ3進出は可能」F1アブダビGP《初日》

  • Published: Updated:

ヤス・マリーナ・サーキットで開催されたF1第20戦アブダビGP金曜フリー走行を終えて、ホンダF1を統括する長谷川祐介総責任者は、土曜の公式予選でのダブルQ3進出は可能との認識を示した。ホンダ勢はフェルナンド・アロンソが10位、ストフェル・バンドーンが12位という成績で初日を締め括っている。

表面的な結果こそ長谷川の主張を懐疑的な目で見てしまうものだが、7番手セルジオ・ペレスから12番手のバンドーンまでのタイム差は0.348秒と接近しており、ほんの些細な違いがポジションを大きく左右する大混戦となっている。長谷川の肩を持つように、マクラーレンのチーム代表を務めるエリック・ブーリエは、今日の結果はマシンのポテンシャルを反映したものではないと語り、タイム向上の余地は大きいと強調する。

アブダビGPはF1唯一となるトワイライトレースであり、決勝と予選は現地夕刻にスタートする。FP1とFP3は、眩しい日差しが路面に照りつける日中のセッションであり、重要な練習走行は金曜夕刻のFP2のみ。チームは1回目のフリー走行を来季パッケージの評価とテストに費やし、週末のレースに向けての準備はFP2でのみ実施した。

昨年のレースが象徴的に物語るように、ヤス・マリーナ・サーキットは抜けそうで抜けないコース。予選順位が決勝結果に直結する傾向がある。2016年は、先頭のルイス・ハミルトンが2番手を走るニコ・ロズベルグを下位に押し下げようと著しくペースを落として走行するも、隊列が長くなるばかりでオーバーテイクは一切見られなかった。

二台がトップ10圏内に相当する予選Q3に駒を進めることさえできれば、マクラーレン・ホンダのダブルポイント獲得は大きく現実味を帯びてくる。

マクラーレンホンダ:アブダビGP初日を終えて

長谷川 祐介ダブルQ3進出は可能

ついに2017年シーズン最後のレースが始まりました。今日は、予め策定された練習スケジュールに従ってプログラムを完了することができたので、チームにとって比較的良い一日になったと思います。いずれのドライバーも一貫したパフォーマンスを示してくれましたし、彼らはセットアップに満足しているようでした。

特に昼間が顕著ですが、ここアブダビの気温は高いため、パワーユニットにとっては簡単なコンディションではありません。ですが、スタッフの皆がエンジンの動向に注意を払ってくれていたお陰で、問題のなく一日を終える事ができました。

チーム内の誰もが上位でシーズンを締め括るべくこのレースに集中しています。私見を申し上げれば、明日の予選で両方のマシンがQ3に進出できる可能性があると考えています。

エリック・ブーリエレーシングディレクター

今日はテスト面で手堅い一日を過ごす事ができました。チーム全員の努力の賜物です。我々マクラーレン・ホンダは今日の2回のセッションで膨大な量の作業に取り組みました。今回のレースの準備というだけではなく、来年に向けてのシーズン終了前最後の開発作業に時間を費やせたことは非常に貴重でした。

コースコンディションが大きく変化する中、2人のドライバーは車のバランスを改善するために努力しました。二人ともヤス・マリーナ・サーキットでの「美味しいゾーン」を見つけられませんでしたが、明日の予選に向けて大量の貴重なデータを収集することが出来ました。今夜はその解析に取り掛かります。

レースがトワイライトの夕方に行われるため、ここでのオントラックセッションの過ごし方は通常のグランプリとは異なり独特です。セッション時間を最大限に活かすため、我々は一般的なテストプログラムを実施しました。

今日は2台共が計画していたプランを完了させました。大きな問題が発生しなかったことを喜んでいます。予選に向けて必要な判断を下すべく、フェルナンドとストフェルはエンジニアと協力しながら収集したデータの分析を行います。パッケージの全ての可能性が発揮されたとは考えていませんが、アブダビ初日は良いスタートになったと思います。


2017年最終戦F1アブダビGP三回目のフリー走行は日本時間11月25日(土)19時から、公式予選は同日22時からヤス・マリーナ・サーキットで行われる。ウルトラソフトとスーパーソフトのタイム差は約0.8秒/周となっており、予選ではウルトラソフトタイヤが主流となる見込み。いずれのコンパウンドもデグラデーションが軽微であり、レースでは1ストップ戦略もあり得る。

F1アブダビGP特集