F1の新しいロゴに類似しているとされる3M社のFUTUROのロゴ
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3M社、F1の新ロゴ商標登録に対し正式に異議申し立て…同社の衣料ブランドロゴに類似

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ふせん紙などの文具・オフィス用製品の他、各種接着剤などで知られる素材メーカー大手3M Company(スリーエム)社は、F1のロゴが同社の商品ブランドロゴに類似しているとして、欧州連合知的財産庁(EUIPO)に対して正式な異議申し立てを行った。

フォーミュラ1を所有する米リバティ・メディア社はイメージの刷新を図るべく、昨年の最終アブダビGPの表彰台セレモニーで新しいロゴを発表。長年に渡り親しまれてきた旧来のロゴは姿を消し、今季開幕オーストラリアGP以降は「F」と「1」のタイポをベースにしたシンプルな幾何学的なラインで構成された新しいロゴが採用されている。

2018年F1アゼルバイジャンGPの表彰台に上がったキミ・ライコネン、ルイス・ハミルトン、セルジオ・ペレス
© Pirelli、F1の新しいロゴ

3Mは世界42カ国で膝や足首などのサポーター製品を扱う「FUTURO」ブランドを展開。昨年ロゴをリニューアルし、2017年2月17日付で商標登録を出願、その4ヶ月後に受理された。FUTUROの「F」をモチーフに、金色で縁取られたようなデザインのそのロゴは、帽子やシューズなどの衣類分野において独占排他的使用権が与えられている。

F1の新しいロゴに類似しているとされる3M社のFUTUROのロゴ
© FUTUROのロゴ。同ブランドWEBサイト(futuro-usa.com)から引用

3M社は今年5月18日に、消費者の誤解を招く恐れがあるとして異議申し立てを申請。EUIPOは同月21日にこれを受理し、出願人であるFORMULA ONE LICENSING B.V.に対してこれを通知した。今後数ヶ月の内に決定が下される見通し。

F1は、FUTUROのロゴが正式に受理された5ヶ月後の昨年11月17日に出願。商標は、先に出願した者が優先的に権利を主張できる先願主義を採用しているため、3M社の権利が優先される。

仮に3M社の主張が認められたとしても、F1の新しいロゴがお蔵入りとなる事はない。同社が取り消しを求めたのは、FUTUROに関わる”クラス25″と呼ばれる衣料カテゴリーにおけるF1ロゴの商標登録であり、ロゴの全面的な使用禁止を求めるものではなく、F1に対する影響は限定的と言える。