マリーナベイ市街地コースのコーナーでランド・ノリスをリードするオスカー・ピアストリ(ともにマクラーレン)、2026年10月10日(土) F1シンガポールGPスプリント
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F1シンガポールGP:9人召喚で3件違反。それでも誰も罰せられなかった理由、マクラーレン同士討ちに裁定

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2026年F1第17戦シンガポールGPのスプリントで最終周に接触したマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリに対し、スチュワードは「どちらにも全面的または主たる責任はない」との判断を下し、ペナルティを科さないことを決定した。

スプリントでは、マクラーレン勢の同士討ちを含む6件のインシデントを巡り、レース後に合計9名が召喚された。すべての裁定が出揃ったのは、その後に行われた予選中のことだった。この6件のうち3件で違反が認定されたが、いずれもペナルティは科されなかった。

マクラーレン同士討ち:両者責任で「お咎めなし」

ノリスはファイナルラップのターン5で、4番手を走るピアストリのイン側に飛び込んだ。ノリスの左フロントが右リアと接触したことで、ピアストリはアウト側のバリアに衝突してリタイヤした。一方、ノリスは走行を続けて8位でフィニッシュした。

聴取でピアストリは、ノリスが追い抜きを仕掛けてくるとは予想しておらず、ターンイン後に初めてその存在に気付き、スペースを残そうとしたと説明した。

一方、ノリスはエイペックスに達する前に自身のフロントアクスルがピアストリのミラーより前方にあったため、スペースを残してもらえると考えていたと説明した。だが、実際には両者が並んで通過できるほどのスペースはなかった。

スチュワードは映像および車載映像を確認し、両ドライバーの聴取を経て、本件は「両ドライバーが寄与」した結果として発生したものであり、「どちらか一方が全面的、あるいは主たる責任を負うものではない」と判断。処分を見送った。

ペレス違反認定も、降格変更見送りで処分なし

ランス・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)とセルジオ・ペレス(キャデラック)の接触についても、スチュワードはいずれにも処分を科さなかった。

この接触は、ペレスがターン16のイン側からストロールを追い抜こうとした際に発生した。スチュワードは、ストロールの走行ラインに何も問題はなかったと認定した。

一方、ペレスについては、右フロントタイヤをロックアップさせたことで、それ以上マシンを旋回させることができなくなり、その結果として接触が発生したと判断。事故の「主たる責任」はペレスにあると結論づけ、5秒ペナルティが相当と指摘した。

しかしながら、ペレスはレースをリタイヤしており、加えて完走扱いでもなかったため、これを消化することができない。

こうしたケースでは通常、スチュワードの裁量により次のレースでのグリッド降格ペナルティに置き換えられるが、スチュワードは「5秒ペナルティはグリッド降格ペナルティには置き換えられない」と説明した。

明確な理由は示されていないが、10秒ではなく5秒という軽微なペナルティを、競技上の影響がより大きいグリッド降格に変更することは適切ではないとの考えがあるものとみられる。

アルボンとボッタス、追突で違反認定もペナルティなし

アレックス・アルボン(ウィリアムズ)、ガブリエル・ボルトレート(アウディ)、バルテリ・ボッタス(キャデラック)の3台が絡んだ追突事故は、セーフティーカー(SC)ラップの終了に伴うリスタートの際に、隊列が詰まったことが引き金となって発生した。

まずはターン16でアルボンがボルトレートのリアに接触し、続いてボッタスがアルボンのリアに接触した。アルボンは、ボルトレートが前方のマシンとの衝突を避けるために急制動したため、自身には接触を回避する余地がなかったと説明した。

スチュワードは、隊列前方のマシンがリスタートに向けて不規則な速度で走行したことに伴う玉突き事故の結果であるとしつつも、こうした事故が起きるリスクを踏まえ、前走車両との間隔をより取っておくべきだったとして、アルボンおよびボッタス双方の違反を認定した。

そのうえで、追突の背景にリスタート時の混乱という事情があったことを考慮し、標準的な10秒ペナルティではなく、5秒ペナルティの対象とした。そのため、ペレスのケースと同様に、アルボンとボッタスにもペナルティは科されなかった。

リンブラッド逆走、危険なしとの判断で不問

アーヴィッド・リンブラッド(レーシング・ブルズ)は、ターン5の出口でスピンした後、100mほどコースを逆走し、ランオフエリアを使って方向を転換。その後レースに戻った。

リンブラッドは聴取で、停止した位置ではマシンを方向転換できず、やむを得ず最後尾のマシンが通過した後に逆走したが、レーシングラインを避けてコースの端を走行したと説明した。

スチュワードは、その場でマシンの方向転換が困難だったこと、さらに逆走時に対向するマシンがいなかったことを踏まえ、この状況での今回の行動は「危険なものではなかった」と判断した。

ベアマン制限タイム超過、適切対応で不問

オリバー・ベアマン(ハース)は、2つのセーフティーカーライン間におけるタイムが、指定されていた上限の1分52秒00を超えた件で調査を受けた。

位置情報、計時データ、車載映像の調査を通して、コースの大部分では制限時間内に収まる速度を維持したものの、他車を妨げずに進路を譲るため大きく減速した結果、指定タイムを超過していたことが確認された。

スチュワードは、ベアマンは「不必要に低速で走行」したわけではなく、「適切な対応を取った結果として指定タイムを超過した」と結論づけ、本件を不問とした。

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