
スプリント覇者フェルスタッペン「追い抜けないコースでやるべきじゃない」市街地開催に苦言、新世代PUにも“痛烈な皮肉”
2026年F1第17戦シンガポールGPで初開催されたスプリントをポール・トゥ・ウインで制したマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、追い抜きの難しいコースでスプリントを開催することを決めたF1の判断を批判した。
同時に、2026年のオーバーテイクモードを含む現行のパワーユニット(PU)規則では、マリーナベイ市街地コースで他車を追い抜くために必要な十分な速度差を生み出せないとして、制度面での改善も訴えた。
「抜けないコースでやるな」王者ら指摘
10月10日(土)に行われたスプリントで、ポールポジションに着いたフェルスタッペンは、開始直後のターン1までの短いストレートでジョージ・ラッセル(メルセデス)に首位を奪われた。だが、ラッセルが1周目の終わりにクラッシュしてリタイヤを余儀なくされると、その後は首位を守ってトップチェッカーを受けた。
レース後、フェルスタッペンは「オーバーテイクできないようなコースでスプリントをやるべきじゃない。ちゃんとレースができて、追い越しもできるサーキットはある。でも、当然ながら抜けないコースもある。来年はそういう場所でもスプリントをやることになっている」と語り、不満をあらわにした。
F1は2027年、スプリントの開催数を2026年の6戦から10戦へ増やす。その中には、カレンダーの中で最も追い抜きが難しいとされるモンテカルロ市街地コースも含まれている。マリーナベイ市街地コースはモンテカルロに次いでオーバーテイクが困難とされる。
フェルスタッペンの懸念には、ライバルたちも同調している。
3位でフィニッシュしたシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、「そもそも市街地コースでスプリントをやること自体、あまり意味がないと思う。ここやモナコでは、スプリントをやっても週末に何かが加わるとは思えない」と指摘した。
また、2位に入ったルイス・ハミルトン(フェラーリ)も、シンガポールでスプリントを続けるなら「どこかにもっと長いストレートを設けるなど、コースを変更する必要があると思う」と語り、レイアウト調整の必要性を訴えた。
「予選で1周を走る分には素晴らしいコースだけど、実際には…オーバーテイクのために接近できる場所が、本当に1カ所くらいしかない。それに、たとえばターン16ではコース中央に盛り上がりがあって、路面がフラットじゃないから火花が散る。雨対策なのか何なのかは分からないけど、ここを100%素晴らしいサーキットにするために、いくつか調整できる部分はあると思う」
新世代PU、オーバーテイクモードの限界
これまでもスプリント形式を繰り返し批判してきたフェルスタッペンは、市街地での追い抜きを困難にしているもう一つの要因として、2026年に導入された新世代PUの特性を挙げた。
「今の問題は、オーバーテイクモードがここではほとんど何の役にも立たないことだ。ストレートでも、それほど大きなアドバンテージは得られない」
「今のルールと、この“素晴らしいバッテリー”じゃ、結局たいして何もできない。前のマシンにものすごく近づくこともできないし、大きな速度差をつけて抜きにかかることもできない」
マリーナベイ市街地コースについてフェルスタッペンは、サーキット自体は「素晴らしい」と認めつつも、オーバーテイクを促進するためのさらなるレイアウト変更に賛成の意を示した。
そのうえで、追い抜きを実現するには、コースの改修だけでなく、ストレート区間で前走車両との間に十分な速度差を生み出せるようなPU制御・規則の改善が不可欠だと強調した。