ホンダF1、スペック2でも直線性能不足が露呈「狙い通りの効果」もアストンマーティン最下位争い…厳しい予選・決勝へ

  • Published:
  • Googleで優先するソースとして追加する

アストンマーティン・ホンダにとって、モンツァでの初日は想定していた苦戦に加え、予定外の足止めが重なった一日となった。フェルナンド・アロンソはフリー走行2回目(FP2)で、セッション序盤にガレージ内で電気系トラブルに見舞われ、最終的に19番手に終わった。

9月4日(金)に行われた2026年F1第13戦イタリアGPのFP2でアロンソは、首位のジョージ・ラッセル(メルセデス)から2.468秒差に沈んだ。Q2進出ラインとなる16番手のアレックス・アルボン(ウィリアムズ)との差も1.174秒に達した。

ホンダ・レーシング(HRC)の折原伸太郎トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニアによれば、週末に向けて投入したエンジンのドライバビリティ対策については「狙い通りの効果」が確認された。

一方で、パワーユニット(PU)の性能が強く問われるモンツァでは、スペック2を以てしてもライバルに対するストレートスピード不足が露呈した。

必ずしもPUの性能不足を示すものではないが、アストンマーティン・ホンダ勢はFP2において、コース上の4箇所に設けられた速度検知ポイントの全てにおいて最下位に沈んだ。

車速はトウの有無やマシンのダウンフォースレベル、エネルギーマネジメントにも大きく左右されるが、ホームストレートに設けられたスピードトラップでのトップとの差は20km/h、第二中間地点では34km/hに達した。

サーキット特性に依存するAMR26の競争力

アンバサダー兼チーム代表者を務めるペドロ・デ・ラ・ロサによれば、アロンソのマシンはFP2開始時にガレージ内で電気系トラブルに見舞われた。この影響でコースインが遅れ、予定していた走行時間の一部を失った。

それでも、チーム全体としては初日のプログラムをおおむね進めることができたが、結果としてはキャデラック勢との最下位争いに終わった。もっとも、モンツァでの苦戦自体は、あらかじめ想定されていたことでもあった。

「もちろん、初日が難しくなること、そして我々にとって厳しい週末になることは分かっていた。シミュレーターでのあらゆる作業を通して予想していたのと、ほぼ同じ状況だ。だから厳しいことは確かだ」とデ・ラ・ロサは振り返る。

「ただ、前向きな点もあった。かなり順調にプログラムを進めることができたし、予定していたことはすべて試すことができた」

デ・ラ・ロサは、現状のアストンマーティン・ホンダAMR26の競争力は、サーキット特性に大きく左右されると説明した。

「今のところ、サーキットへの依存度がかなり高い。相性の良いサーキットもあれば、そうではないところもある。モンツァは間違いなく、我々が楽しみにしていたサーキットのひとつではなかった」

インタビューに応じるランス・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)、2026年9月4日(金) F1イタリアGPフリー走行(モンツァ・サーキット)Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

インタビューに応じるランス・ストロール(アストンマーティン・ホンダ)、2026年9月4日(金) F1イタリアGPフリー走行(モンツァ・サーキット)

最下位22番手に沈んだランス・ストロールはセッション後、いつものように短い受け答えに終始した。

新世代マシンでのモンツァの感触について問われると、「まあまあだった。悪くなかった」とだけ答え、さらに踏み込んで質問されると「良かったよ」と一言で返した。そして、2日目以降の見通しについて尋ねられると、「とにかく、改善し続けられるように取り組むだけだ」と語った。

応答性改善も「ストレート速度不足」を認めるホンダ

ホンダ側がイタリアGPまでに重点的に取り組んだのが、スペック2を初投入した前戦オランダGPで課題となったドライバビリティの改善だった。ザントフォールトで得たデータを基に燃焼特性の最適化に取り組んだ。

折原TGMは次のように語り、モンツァの初日プラクティスを通して改善策が意図した通りに機能したと評価した。

「今週末のイタリアGPは非常に重要な一戦です。前戦オランダGPで課題となったエンジンのドライバビリティについて、チーム全員のハードワークによって対策を持ち込むことができました。狙い通りの効果を確認できており、方向性は正しいと考えています。引き続き改善を進めていきます」

信頼性については前戦同様、深刻なトラブルはなかったが、その一方で高速区間が長く、PU性能がラップタイムに直結しやすいモンツァは、ホンダが抱えるもう一つの課題を露呈させた。折原TGMはライバルとの比較において、ホンダ製PUの性能不足を認めた。

「パワーユニットの性能が重要となるモンツァでは、予想はしていたものの、ライバルに対してストレートスピードが、まだ十分ではありません」

折原TGMは予選と決勝についても「厳しい展開」を見込んでいるとしつつ、手持ちのパッケージから最大限のパフォーマンスを引き出すべく、セッティングの最適化に取り組んでいく考えを示した。

ガレージ内で腰に手を当てセッションを見守る折原伸太郎(ホンダ・レーシング トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニア)、2026年9月4日(金) F1イタリアGPフリー走行(モンツァ・サーキット)Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

ガレージ内で腰に手を当てセッションを見守る折原伸太郎(ホンダ・レーシング トラックサイド・ゼネラルマネージャー兼チーフエンジニア)、2026年9月4日(金) F1イタリアGPフリー走行(モンツァ・サーキット)


2026年F1第13戦イタリアGPの初日フリー走行をトップで締め括ったのはジョージ・ラッセル(メルセデス)。2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.120秒差で退けた。角田裕毅(レーシング・ブルズ)は中団最上位まで0.106秒差の10番手をマークした。

FP3は日本時間9月5日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってモンツァ・サーキットで開催される。セッションの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

F1イタリアGP特集