
角田裕毅、僚友との差を一気に0.663秒縮小「SMを忘れてました…」 前進を生んだ4つの鍵、Q3進出へ代表も期待
フリー走行1回目(FP1)でチームメイトに0.769秒もの差をつけられた角田裕毅(レーシング・ブルズ)だが、続くフリー走行2回目(FP2)では、その差を一気に0.106秒まで縮めた。2026年F1第13戦イタリアGPの初日は、角田が着実に前進した一日となった。
前戦オランダGPとはエネルギーマネジメントの難度が大きく異なるモンツァ・サーキット。角田はFP1を12番手で終え、7番手につけたアーヴィッド・リンブラッドから0.769秒遅れた。
だがFP2では首位から0.896秒差の10番手に浮上。再び7番手となったリンブラッドとの差も0.106秒に抑え、わずか1セッションでギャップを0.663秒縮めた。この大幅な前進の背景には、モンツァ特有のエネルギーマネジメントへの適応とセットアップ変更、ソフトタイヤの使用、そして“SM忘れ”があったようだ。
タイム差を大幅改善、10番手前進の鍵
セッションを終えた角田は、FP1では2025年との違いへの対応に手間取ったと説明した。中でも、アスカリ・シケインを越えて最終アルボレート・コーナーへ向かう際にストレートモード(SM)を作動させるのを忘れてしまったことが、ラップをまとめきれなかった一因だったという。
「今回も楽しめました。FP1は僕自身、少しまとまりがなかったと思います。今年は昨年よりSMの検知や作動ポイントが多くて、ターン11の手前でSMのことをずっと忘れてしまっていました」と角田は振り返る。
「昨年と今年では、そういう部分が同じではないので、いくつか難しさはありました。それでも最終的にはかなり上手くまとまりましたし、整理しなければならない点はいくつかありますが、かなり満足しています」
FP2ではマシン側でも改善が進んだ。チーム代表を務めるアラン・パーメインは、FP1後にシャシーとパワーユニット(PU)の双方に最適化の余地が見つかり、変更を加えたことでFP2の競争力が高まったと振り返った。
「良い一日だった。特にFP2はね。FP1の後にシャシーとPUの両方にかなり最適化できる部分があることが分かったので、いくつか変更を加えてFP2に臨んだ。良い状態に持っていくことができたと思う」
「ユーキはミディアムからソフトタイヤへの変更を通して着実に前進した。彼によれば、リアの安定性がかなり良くなったことが要因だという。おかげで、セットアップをどの方向へ進めるべきかについて、良い手掛かりが得られた」
レーシング・ブルズはFP1でソフトを使わず、FP2で初めてこの最も柔らかいコンパウンドを投じた。
決勝に向けた試行錯誤、Q3進出への代表の期待
モンツァではダウンフォースレベルの選択に加え、限られた電動エネルギーをどこで使うかも重要になる。角田はFP2で複数台が接近して走行する状況を経験し、各マシンのデプロイメントの違いを確認。それを踏まえて、レースでのオーバーテイクは「難しくなると思う」との見方を示した。
「チームによってデプロイメントの使い方には差があると思うので、どこでブーストを使うかがかなり重要になります」と角田は語る。
「僕も色々と試してみました。何台かまとまって走る中で、デプロイメントの違いも学べましたし、チームにとっても、僕自身にとっても良い学びになりました」
パーメインも、デプロイメントの使用方法については、なおラップタイムを引き出す余地があるとの認識を示した。チームはイギリスの拠点でシミュレーションを続け、予選までにさらにエネルギーマネジメント戦略を詰める方針だ。
土曜は1時間のフリー走行3回目(FP3)に続き、予選が行われる。パーメインは金曜日のプラクティスで堅実な滑り出しを見せたことを受け、角田の予選Q3進出に期待を寄せた。
「Q1を突破するだけの余力はあると思う。もちろん、こう言っておいて後で裏目に出るかもしれないが、16番手に対して1秒ほどのマージンがあるように見えるので、そこは大丈夫だと思う」とパーメインは語る。
「Q2に関しては、トップチーム勢がトウをそれほど気にせずにコースに出るだろうから、その結果として彼らが他のドライバーたちを牽引する形となるだろう。この状況は我々にとっても助けになるはずだ」
「駆け引きが始まるとすればQ3かもしれない。ただ、2台とも最終セッションへ進めれば、少しやりやすくなる。今年は何度も達成しているが、それが目標だ」
2026年F1第13戦イタリアGPの初日フリー走行をトップで締め括ったのはジョージ・ラッセル(メルセデス)。2番手シャルル・ルクレール(フェラーリ)を0.120秒差で退けた。角田裕毅(レーシング・ブルズ)は中団最上位まで0.106秒差の10番手をマークした。
FP3は日本時間9月5日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってモンツァ・サーキットで開催される。セッションの模様はフジテレビNEXTで生配信・生中継される。