佐藤琢磨「ショックすぎて…」TOP12阻んだ過剰反応、パロウは妻の“31番手”で逆転PP / 2026年インディ500《予選》結果

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第110回インディアナポリス500マイルレースの公式予選が現地時間5月17日(日)に行われ、アレックス・パロウ(チップ・ガナッシ)が4周平均232.248mphを記録し、2023年以来2度目となるインディ500のポールポジションを獲得。併せて10万ドルのボーナス賞金を手にした。

過去2度のインディ500制覇を誇り、3度目の優勝を目指す佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)は4周平均230.995mphで13番手にとどまり、わずか0.1mph差でトップ12ラウンドへの進出を逃した。ファストフライデー終了時に「フロントロウを目指す」と語っていた琢磨にとって、苦い予選結果となった。

土曜日の予選が雨で中止となり、すべての予選セッションが日曜1日に圧縮された変則フォーマットの下、各ドライバーは過酷な条件と1回限りのアタック制限に直面した。

「ショックすぎて…」琢磨、13番手の失意

マシン乗り込み前にピットレーンで準備を進める佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、2026年5月17日(日)-第110回インディ500予選ポールデー(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)Courtesy Of Penske Entertainment

マシン乗り込み前にピットレーンで準備を進める佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、2026年5月17日(日)-第110回インディ500予選ポールデー(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)

予選を終えた琢磨は、強い落胆を隠さなかった。

「残念ながらトップ12に入ることできず、13番手で今日の予選を終えることになってしまいました。もう…ショックすぎて言葉が出ないくらいなんですけども」

雷雨の影響で土曜の予選が中止されたことを受け、日曜の1日に圧縮された改定予選フォーマットでは、新設の「ファイナル15予選」が取りやめとなり、第1ラウンドさえも各車1回のみのアタックに制限された。

本来であれば複数回のアテンプトを通じて、初回ラップを基準にセッティングを徐々に煮詰めていく作業が可能だったが、今年は1回のアタックにすべてを賭けるしかなかった。

さらに琢磨を苦しめたのは、26番手という出走順だった。土曜日に予選が行われていれば、比較的コンディションが良好な夕方近くにアタックできていたはずだ。

だが、日曜日の第1ラウンドは現地時間12時のスタートで、琢磨の走行時には気温と路面温度がそれぞれ約5℃、約10℃高くなっていた。

「劇的に暑くなっていました」と琢磨は振り返る。

RLL勢を沈めた「オーバーリアクション」

コンディションへの対応が困難な状況下で、琢磨を含むレイホール・レターマン・ラニガン・レーシング勢はさらなる試練に直面した。データに裏付けされていないパーツを投入するという判断が、結果的にマシンバランスを崩したという。

「クルマづくりに関して言えば、今日は非常に気温が高くなり、今までのプラクティスの中で一番暑い日になりました。さらに風もすごく強かったので、クルマを安定させるセッティングを見つけなければなりませんでした」と琢磨は振り返る。

「それ自体はどのチームも同じ立場ですが、僕らはオーバーリアクションというか、反応しすぎてしまったのかもしれません。チームも『もっとやらなきゃ』みたいな気持ちがあり、手元にデータのないパーツを使ったのですが、それが結果的にはものすごい失敗だったのかなというふうに思います」

「タラレバになってしまうのですが、自分たちが知っているパッケージで走っていれば、おそらく順当に上がれていったと思うので、なおさら悔しいです」

このセットアップ判断の影響について琢磨は、自身だけではなくRLL全体に及んだと考えている。チーム最上位の琢磨が13番手、ルイ・フォスターが22番手、ミック・シューマッハが28番手、そしてプラクティスで好調を維持していたグレアム・レイホールに至っては30番手と、4台すべてが下位グリッドに沈んだ。

13番手からのスタートは、3度目の制覇に向けて決して好材料とは言えないが、それでも琢磨は諦めてはいない。

「チーム一丸となってトップを目指していく志は変わらないですし、確かに久しぶりにトップ12に入れないすごく残念なインディ500予選になってしまいましたが、レースに向けたセッティングは明日とカーブデーで仕上げていけるので、なんとか挽回できるように、残りの二日間のプラクティスを使って、決勝に向けて準備を進めたいと思います」

パロウ、妻が引いた「31番手」が味方に

笑顔で人差し指を掲げるアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)、2026年5月17日(日)-第110回インディ500予選ポールデー(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)Courtesy Of Penske Entertainment

笑顔で人差し指を掲げるアレックス・パロウ(チップ・ガナッシ・レーシング)、2026年5月17日(日)-第110回インディ500予選ポールデー(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)

ポールを獲得したパロウもまた、第1ラウンドでは琢磨と同様の不利な条件に直面していた。予選出走順を決める金曜日の抽選で、パロウの妻エスターさんが31番手のくじを引いたためだ。

パロウが第1ラウンドでアタックしたのは、トップバッターである僚友スコット・ディクソンのアタックから2時間19分後のこと。気温も路面温度も大きく上昇した時間帯での走行だった。

パロウの第1ラウンドのタイムは4周平均231.155mphで11番手。かろうじてトップ12進出を果たす厳しい立ち上がりだった。

だがその「暑い時間帯のデータ」が、続くトップ12ラウンドで武器となった。同じ条件下での経験値を活かしたパロウは、フェリックス・ローゼンクヴィスト(メイヤー・シャンク)に次ぐ2番手のタイムを記録。そして、ファスト6で4周平均232.248mphを叩き出し、ポールをつかんだ。

「言葉がない。本当に信じられない気分だ。最高のスタートになった。ポールを獲った後の喜び方が尋常じゃなかったのは、今朝の時点で、このスピードが出るなんて予想してなかったからなんだ」とパロウは語った。

「あの番号を引いた妻には感謝しているんだ。そのおかげで僕らは、[トップ12以降に向けて]このコンディションへの準備を進めることができたわけだからね」

不利な出走順という偶然が、結果的にポール獲得へとつながった格好だった。同じ「暑い時間帯」を引き当てながらも、琢磨とパロウの結末は0.1mphを大きく超えて分かれることになった。

2番手にはアレキサンダー・ロッシ(エド・カーペンター)、3番手にはデイビッド・マルーカス(ペンスキー)が続いた。

残された挽回の機会

第110回インディ500の決勝までには、まだ調整の機会が残されている。日本時間5月18日(月)26時から28時にかけて行われるプラクティス7、そして決勝直前の5月22日(金)に行われる「カーブデー」と呼ばれる最終プラクティスだ。

「カーブデー」は、レース仕様のセッティングを煮詰める最終調整の場だ。13番グリッドからの追い上げを目指す琢磨にとって、これら残り2回のプラクティスは挽回の鍵となる。

第110回インディアナポリス500マイルレースの決勝は、5月24日(日)に開催される。

ハイライト動画

2026年インディ500予選総合結果

Pos. Driver
Team
Speed
1 アレックス・パロウ
Chip Ganassi
232.248 mi/h
373.767 km/h
2 アレキサンダー・ロッシ
Ed Carpenter Racing
231.99 mi/h
373.352 km/h
3 デイビッド・マルーカス
Team Penske
231.877 mi/h
373.17 km/h
4 フェリックス・ローゼンクヴィスト
Meyer Shank Racing w/ Curb-Agajanian
231.375 mi/h
372.362 km/h
5 サンティノ・フェルッチ
A.J. Foyt Enterprises
230.846 mi/h
371.511 km/h
6 パトリシオ・オワード
Arrow McLaren
230.442 mi/h
370.86 km/h
7 キフィン・シンプソン
Chip Ganassi
230.883 mi/h
371.57 km/h
8 コナー・デイリー
Dreyer & Reinbold Racing
230.712 mi/h
371.295 km/h
9 スコット・マクラフリン
Team Penske
230.577 mi/h
371.078 km/h
10 カイオ・コレット
A.J. Foyt Enterprises
230.539 mi/h
371.017 km/h
11 スコット・ディクソン
Chip Ganassi
230.347 mi/h
370.708 km/h
12 リーナス・ヴィーケイ
Juncos Hollinger Racing
229.585 mi/h
369.481 km/h
13 佐藤琢磨
Rahal Letterman Lanigan Racing
230.995 mi/h
371.75 km/h
14 エド・カーペンター
Ed Carpenter Racing
230.829 mi/h
371.483 km/h
15 エリオ・カストロネベス
Meyer Shank Racing w/ Curb-Agajanian
230.811 mi/h
371.454 km/h
16 クリスチャン・ラスムッセン
Ed Carpenter Racing
230.705 mi/h
371.284 km/h
17 マーカス・アームストロング
Meyer Shank Racing w/ Curb-Agajanian
230.701 mi/h
371.277 km/h
18 マーカス・エリクソン
Andretti Global
230.667 mi/h
371.223 km/h
19 クリスチャン・ルンガー
Arrow McLaren
230.661 mi/h
371.213 km/h
20 ウィル・パワー
Andretti Global
230.279 mi/h
370.598 km/h
21 ノーラン・シーゲル
Arrow McLaren
230.213 mi/h
370.492 km/h
22 ルイス・フォスター
Rahal Letterman Lanigan Racing
230.212 mi/h
370.49 km/h
23 ライアン・ハンター=レイ
Arrow McLaren
230.202 mi/h
370.474 km/h
24 ジョセフ・ニューガーデン
Team Penske
230.165 mi/h
370.415 km/h
25 ロマン・グロージャン
Dale Coyne Racing
229.791 mi/h
369.813 km/h
26 カイル・カークウッド
Andretti Global
229.607 mi/h
369.517 km/h
27 キャサリン・レッグ
HMD Motorsports w/ A. J. Foyt Racing
229.456 mi/h
369.274 km/h
28 ミック・シューマッハ
Rahal Letterman Lanigan Racing
229.45 mi/h
369.264 km/h
29 ジャック・ハーヴィー
Dreyer & Reinbold Racing
229.207 mi/h
368.873 km/h
30 グレアム・レイホール
Rahal Letterman Lanigan Racing
229.017 mi/h
368.567 km/h
31 デニス・ハウガー
Dale Coyne Racing
228.982 mi/h
368.511 km/h
32 ジェイコブ・エイベル
Abel Motorsports
228.169 mi/h
367.202 km/h
33 スティング・レイ・ロブ
Juncos Hollinger Racing
226.572 mi/h
364.632 km/h