
佐藤琢磨、2番手も拭えぬ不安「一向に収まらない」多重事故を経てニューガーデン首位 / 2026年インディ500《6日目》結果
第110回インディ500のプラクティス7が5月18日(月)に行われ、2度のインディ500ウィナーがトップ2を占めた。ジョセフ・ニューガーデン(ペンスキー)が226.198mphを記録して総合首位に立ち、佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン)が2番手をマークした。
この日のセッションは雷雨の影響により、当初予定されていた2時間から1時間18分へと大幅に短縮された。さらに本大会初となる大きなクラッシュが発生し、各車が実際に走行できたのはわずか35分程度という非常に慌ただしい1日となった。
本大会初の大クラッシュ、ロッシは病院搬送
Courtesy Of Penske Entertainment
レッカー車より回収されるロマン・グロージャン(デイル・コイン)とパトリシオ・オワード(マクラーレン)のマシン、2026年5月18日(月) 第110回インディ500プラクティス7(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)
セッション開始から28分後、アレキサンダー・ロッシ(エド・カーペンター)がターン2でリアを失い、セーファーバリアに激突した。
後方を走行していたパトリシオ・オワード(マクラーレン)は、これを避けようとしたがスピンを喫し、ロッシに衝突した。さらに後方を走っていたロマン・グロージャン(デイル・コイン)も事故を回避する過程でスピンし、バリアに衝突した。
ロッシは意識がはっきりしていたものの、念のために地元の病院へ搬送された。オワードとグロージャンにけがはなかった。
「1時間のピットレーン待機」予選敗退後の裏側
琢磨にとっては、煮え切らない思いの下で取り組んだセッションとなった。予選は13番手に終わったが、セッション終了後にカイオ・コレット(AJフォイト)のマシンが車検不合格となり、琢磨のスターティンググリッドはひとつ繰り上がって12番手となった。
コレット失格の裁定は予選後に下され、琢磨は予選第1ラウンドで敗退することとなったが、トップ12ラウンドの開始に先立ち、ピットレーンでの待機を命じられていた。
「実はトップ12が始まる前に、テックのスタッフからピットレーンで1時間待つように言われていたんです。もしそこで引っかかったクルマがあれば、繰り上がりでトップ12に入る可能性があったからです」と琢磨は説明する。
「ただ、その時点ではそうはならず、ガレージに戻ってきて、そして一晩経って順位が変わったという形で、、悔しいですね。本当にあと一つポジションが上であれば、トップ12にチャレンジができたと思うと、かなり復調できていたと思うので。まあ、でも仕方ないです」と苦笑いを浮かべた。
レーストリムで復調「クルマの出来は70点」
Courtesy Of Penske Entertainment
ピットレーンでイヤホンを装着しながら走行準備を進める佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)、2026年5月18日(月) 第110回インディ500プラクティス7(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)
それでも琢磨は気持ちを切り替え、この日のプラクティスでは予選用のセッティングから決勝レース用のパッケージへとクルマを完全に戻して走行に臨んだ。
「ダウンフォースも増えますし、もちろんギア、それからブーストも下がって、クルマはまったく別物になります」と佐藤は語る。先週の段階ではレースセットを試す時間が不足していたが、チームメイトのデータを組み合わせて最適なセットアップを探ったという。
走行時間は限られたものの、琢磨は新品タイヤで3度の走行をこなし、時速225.723mphの総合2番手タイムを記録した。3番手にはルーキーのデニス・ハウガー(デイル・コイン)が続いた。
琢磨は「トラフィックの中での動きは、かなり改善されたかなと思います。クルマの出来としては、どうだろう、70点くらいだと思います」と評価し、決勝に向けたペースに一定の自信をのぞかせた。
好材料の裏でブレーキ異常過熱の懸念
Courtesy Of Penske Entertainment
集団をリードするスコット・マクラフリン(チーム・ペンスキー)、2026年5月18日(月) 第110回インディ500プラクティス7(インディアナポリス・モーター・スピードウェイ)
レースペースの改善という明るい材料の一方で、深刻な懸念材料も浮上している。完全制御型の新しいブレーキシステムにおいて、摩擦熱が異常に高くなる症状が続いているという。
「オープンテストの時点から僕のクルマでは症状が出ていて、何度かキャリパーを交換したり、中身を変えたり、ディスクを含めた摩擦材も全部変えたりしているんですが、一向に収まっていません」と佐藤は危機感を募らせる。
この日のロングラン走行でもブレーキが異常な高温に達し、ブレーキメーカーも交えての調査が急ピッチで進められている。
「単独走行でもまったくスピードが出なくて、、ブレーキを引きずっているような状態なので。レースができるような状況ではありません」
インディ500の走行スケジュールは、金曜日に予定されている「カーブデー」での最終プラクティスを残すのみとなっているが、現時点での予報では雲行きが怪しい。
佐藤は「シャシーセット自体はかなり良いところまで来ています。不安だらけだった先週の状態からは、なんとか抜け出せたかなと思います。予選のことは、今でも正直かなり心が痛いんですが、なんとか気持ちを切り替えて、レースに集中していこうと思っています」と決勝に向けた意気込みを語った。
ハイライト動画
2026年インディ500プラクティス7結果
| Pos. | Driver Team |
Time Speed |
Gap | Laps |
|---|---|---|---|---|
| 1 | ジョセフ・ニューガーデン Team Penske |
00:39.7882 226.198 mi/h, 364.03 km/h |
34 | |
| 2 | 佐藤琢磨 Rahal Letterman Lanigan Racing |
00:39.8718 225.723 mi/h, 363.266 km/h |
0.0836 s 0.475 mi/h, 0.764 km/h |
35 |
| 3 | デニス・ハウガー Dale Coyne Racing |
00:40.0794 224.554 mi/h, 361.385 km/h |
0.2076 s 1.644 mi/h, 2.645 km/h |
34 |
| 4 | ライアン・ハンター=レイ Arrow McLaren |
00:40.1042 224.415 mi/h, 361.161 km/h |
0.0248 s 1.783 mi/h, 2.869 km/h |
32 |
| 5 | マーカス・エリクソン Andretti Global |
00:40.1112 224.376 mi/h, 361.098 km/h |
0.0070 s 1.822 mi/h, 2.932 km/h |
39 |
| 6 | スコット・ディクソン Chip Ganassi |
00:40.1156 224.352 mi/h, 361.06 km/h |
0.0044 s 1.846 mi/h, 2.970 km/h |
26 |
| 7 | ジャック・ハーヴィー Dreyer & Reinbold Racing |
00:40.1272 224.287 mi/h, 360.955 km/h |
0.0116 s 1.911 mi/h, 3.075 km/h |
39 |
| 8 | パトリシオ・オワード Arrow McLaren |
00:40.1644 224.079 mi/h, 360.62 km/h |
0.0372 s 2.119 mi/h, 3.410 km/h |
19 |
| 9 | カイオ・コレット A.J. Foyt Enterprises |
00:40.1805 223.989 mi/h, 360.475 km/h |
0.0161 s 2.209 mi/h, 3.555 km/h |
41 |
| 10 | クリスチャン・ラスムッセン Ed Carpenter Racing |
00:40.2306 223.71 mi/h, 360.026 km/h |
0.0501 s 2.488 mi/h, 4.004 km/h |
40 |
| 11 | サンティノ・フェルッチ A.J. Foyt Enterprises |
00:40.2442 223.635 mi/h, 359.906 km/h |
0.0136 s 2.563 mi/h, 4.124 km/h |
34 |
| 12 | デイビッド・マルーカス Team Penske |
00:40.2833 223.418 mi/h, 359.556 km/h |
0.0391 s 2.780 mi/h, 4.474 km/h |
35 |
| 13 | キフィン・シンプソン Chip Ganassi |
00:40.3114 223.262 mi/h, 359.305 km/h |
0.0281 s 2.936 mi/h, 4.725 km/h |
35 |
| 14 | ロマン・グロージャン Dale Coyne Racing |
00:40.3166 223.233 mi/h, 359.259 km/h |
0.0052 s 2.965 mi/h, 4.771 km/h |
20 |
| 15 | カイル・カークウッド Andretti Global |
00:40.3618 222.983 mi/h, 358.856 km/h |
0.0452 s 3.215 mi/h, 5.174 km/h |
21 |
| 16 | スティング・レイ・ロブ Juncos Hollinger Racing |
00:40.3681 222.948 mi/h, 358.8 km/h |
0.0063 s 3.250 mi/h, 5.230 km/h |
47 |
| 17 | アレックス・パロウ Chip Ganassi |
00:40.3922 222.815 mi/h, 358.586 km/h |
0.0241 s 3.383 mi/h, 5.444 km/h |
19 |
| 18 | エリオ・カストロネベス Meyer Shank Racing w/ Curb-Agajanian |
00:40.4063 222.738 mi/h, 358.462 km/h |
0.0141 s 3.460 mi/h, 5.568 km/h |
38 |
| 19 | ウィル・パワー Andretti Global |
00:40.4311 222.601 mi/h, 358.242 km/h |
0.0248 s 3.597 mi/h, 5.788 km/h |
35 |
| 20 | マーカス・アームストロング Meyer Shank Racing w/ Curb-Agajanian |
00:40.5122 222.155 mi/h, 357.524 km/h |
0.0811 s 4.043 mi/h, 6.506 km/h |
30 |
| 21 | フェリックス・ローゼンクヴィスト Meyer Shank Racing w/ Curb-Agajanian |
00:40.5160 222.134 mi/h, 357.49 km/h |
0.0038 s 4.064 mi/h, 6.540 km/h |
35 |
| 22 | キャサリン・レッグ HMD Motorsports w/ A. J. Foyt Racing |
00:40.5246 222.087 mi/h, 357.414 km/h |
0.0086 s 4.111 mi/h, 6.616 km/h |
35 |
| 23 | リーナス・ヴィーケイ Juncos Hollinger Racing |
00:40.5287 222.065 mi/h, 357.379 km/h |
0.0041 s 4.133 mi/h, 6.651 km/h |
42 |
| 24 | スコット・マクラフリン Team Penske |
00:40.5384 222.012 mi/h, 357.294 km/h |
0.0097 s 4.186 mi/h, 6.736 km/h |
33 |
| 25 | ルイス・フォスター Rahal Letterman Lanigan Racing |
00:40.5713 221.832 mi/h, 357.004 km/h |
0.0329 s 4.366 mi/h, 7.026 km/h |
28 |
| 26 | アレキサンダー・ロッシ Ed Carpenter Racing |
00:40.6177 221.578 mi/h, 356.595 km/h |
0.0464 s 4.620 mi/h, 7.435 km/h |
23 |
| 27 | ノーラン・シーゲル Arrow McLaren |
00:40.6577 221.36 mi/h, 356.244 km/h |
0.0400 s 4.838 mi/h, 7.786 km/h |
32 |
| 28 | クリスチャン・ルンガー Arrow McLaren |
00:40.6630 221.331 mi/h, 356.198 km/h |
0.0053 s 4.867 mi/h, 7.832 km/h |
32 |
| 29 | エド・カーペンター Ed Carpenter Racing |
00:40.7083 221.085 mi/h, 355.802 km/h |
0.0453 s 5.113 mi/h, 8.228 km/h |
23 |
| 30 | ミック・シューマッハ Rahal Letterman Lanigan Racing |
00:40.8583 220.273 mi/h, 354.495 km/h |
0.1500 s 5.925 mi/h, 9.535 km/h |
37 |
| 31 | コナー・デイリー Dreyer & Reinbold Racing |
00:40.9923 219.553 mi/h, 353.336 km/h |
0.1340 s 6.645 mi/h, 10.694 km/h |
24 |
| 32 | ジェイコブ・エイベル Abel Motorsports |
00:41.0156 219.429 mi/h, 353.137 km/h |
0.0233 s 6.769 mi/h, 10.893 km/h |
25 |
| 33 | グレアム・レイホール Rahal Letterman Lanigan Racing |
00:41.2103 218.392 mi/h, 351.468 km/h |
0.1947 s 7.806 mi/h, 12.562 km/h |
31 |