カタロニア・サーキットのホームストレート
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2020年のF1、史上最多22戦の可能性…窮地スペインGPが継続に向けて大きく前進

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今季限りでのカレンダー脱落が危ぶまれていたカタロニア・サーキットでのF1スペインGPが、リバティ・メディアとの間で契約延長に向けて大きく前進。この結果、2020年シーズンのF1世界選手権が、史上最多となる全22戦で行われる可能性が出てきた。

カタロニア州政府は8月1日(木)、F1スペイングランプリの開催契約を一年延長して、2020年まで継続するプランでF1側との合意に至ったと発表。声明の中で当局は「カタロニアでの連続30回目のイベント開催が保証された」と述べた。

僅か1年のみの延長ではあるものの、当局はこの間に、さらなる長期契約の締結に向けて交渉を続けていくとしている。報道によると、2020年のF1スペインGPは、復活を迎えるオランダGPとモナコGPの間に組み込まれる予定で、日程としては5月15日から17日に開催される見通しだという。

1990年代以降、F1スペインGPは例年5月にバルセロナ近郊のカタロニア・サーキットで開催されてきた。低中高のあらゆる種類のコーナーに加えてロングストレートを持つこのコースは「F1マシンの総合力が試される」とされ、テスト開催地としても長年に渡ってチームとドライバー双方に親しまれてきた。

来年のF1には、マックス・フェルスタッペンの母国オランダGPと、首都ハノイの市街地コースが舞台となるベトナムGPが新たにカレンダーに加わるが、その一方でスペイン、ドイツ、メキシコ、イギリスの4つのイベントが脱落の危機に瀕していた。

この内、スペインGPに加えて、イギリスGPが先日、シルバーストンでの開催契約を2024年まで延長。これによって当初計画されていた21戦全ての予定枠が埋まったものの、F1側はカレンダーの中で最大集客数を誇るメキシコGPの存続を望んでおり、水面下でチーム側と接触している。

開催数の増加は、F1チームにとって渡航やロジスティクスに関連する費用だけでなく、パワーユニットやマシンパーツ等のコスト負担に直結する。カレンダー拡大に際してはチーム側の承認が必要とされ根回しが欠かせないが、既にリバティ・メディア側はチーム代表に接触し、メキシコ存続に向けての動きを加速させている。

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