11月20日(月)、4度目のF1世界タイトルを獲得したルイス・ハミルトンは、自身とメルセデスAMGのダブルチャンピオンを祝うために英国のチーム本拠地を訪れ、ファクトリーで働く仲間達から壮大な歓迎を受けた。ハミルトンは、パワーユニットを製造するブリックスワースに赴いた後、チーム本拠地が置かれるブラックリーを訪れた。シルバーアローのチームは特別な敬意を以てハミルトンのドライバーズ選手権制覇を祝福した。

お祝いのセレモニーでは、関係者全員が自慢のマシンW08を形作るように整列し、屋外での空撮を楽しんだ。ハミルトンは「すごい感動的な1日だったよ」とその様子を振り返った。

「こんな大歓迎を受けるなんて予想してなかったんだ。暖かく迎えてくれた皆に感謝している。今日は決して忘れられない日になったよ。ファクトリー正面玄関に着くと、外に出てきて僕を歓迎してくれる皆の姿が見えたんだ。圧倒されちゃったよ。今年は本当に途方のないシーズンだったし、一丸となって挑み続けた旅だった」

© Mercedez AMG / 空撮を楽しんだメルセデスとハミルトン

ハミルトンも然ることながら、コンストラクターとして4年連続でF1の頂点に立ったメルセデスの功績も実に見事。ハイブリッドターボが導入された2014年以降、メルセデスは”最強”の称号をほしいままにしている。ハミルトンは、自身の業績はチームの献身的な業務倫理観なしには成し得なかったと明かす。

「チーム全員に尊敬と感謝の気持ちを持ってる。長い間F1にいるけど、ブリックスワースとブラックリーの皆の仕事に対する姿勢には本当に大きな刺激を受けてるんだ。彼らは何時だって100%で職務をこなすし、その事が僕に最高のパフォーマンスをもたらすんだ。夢の実現を助けてくれた皆にありがとうを言うよ。彼らなしではこの業績は成し得なかった。今年は他のチームとの戦いになったし僕ら自身にも課題と挑戦があったから、今シーズンは最高のチャンピオンシップだったと言えるんじゃないかな」

© Mercedez AMG / 優勝を祝うハミルトンと関係者

メルセデスの年間予算は600億円以上と目されており、この抱負な資金力がチャンピオンシップ争いに大きく貢献したのは疑いない。だが、チーム代表を務めるトト・ウォルフはメルセデスの最大の武器は資金ではなく人材にあると強調する。

「幸運にも2012年にメルセデスに加わる事ができ、チームがより強くなっていく様を見続けてきました。今でも加入した当初と同じような顔ぶれが多くいますが、このグループの強さをさらに高めていくべく新しい人材も登用しています。ありがたい事に我々には適切なリソースがありますが、何よりも重要な事は素晴らしい人材に恵まれているという事です」

自身もF1で3冠を成し遂げ、今はメルセデスの非常勤会長を務めているニキ・ラウダは、史上最大レベルとも言われたレギュレーション変更のために、今年はこれまでで最も厳しいシーズンだっと振り返る。

「4年連続してチーム全体に感謝の意を伝えられる幸運な立場にいられて嬉しいよ。レギュレーションの変更があったから2017年は挑戦の年だった。ルールの変更はいつだって不確実性をもたらすし、ライバル達が何をしているかは誰にも分からないからね」

© Mercedez AMG / メルセデス非常勤会長ニキ・ラウダ

「難しいマシンでシーズンをスタートしたけど、チームは年間を通して一貫しマシンを改善させてきた。これがチャンピオンシップを獲得する鍵になったのさ。チームもルイスも素晴らしい仕事をした。私は全員を心の底から誇りに思ってる。これは信じられないほどの偉業だよ。今年はこれまでの中で最も難しい一年だったけど、来年はさらに難しくなるだろね。でも私はチームを100％信頼しているよ！」

ハミルトンの同僚バルテリ・ボッタスが今季2勝した事で、メルセデスは130ポイントの大量リードでヤス・マリーナでの最終レースを迎える。ボッタスとランキング2位につけるセバスチャン・ベッテルとのポイント差は22点、ベッテルに不測の事態が起こらない限り逆転は難しい。

ハミルトンは今季10勝目をかけて今週末のアブダビGPに挑む。4冠を達成した次の目標にはミハエル・シューマッハが築き上げた史上最多91勝を見据えている。最終戦を終えた来月、ハミルトンにはFIAの表彰式で4つ目のトロフィーが授与される。

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