スタートシグナル点灯のもとグリッド上で発進を待つF1マシン、2026年10月4日(日) F1バーレーンGP決勝(セパン・インターナショナル・サーキット)
Courtesy Of Haas

セパンのF1加速不能、完全解決はまだ先か。雷雨予報のシンガポールGPで暫定版ソフトを継続、アメリカGPで追加更新へ

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国際自動車連盟(FIA)は、雨天用のパワーユニット(PU)制御ソフトウェアについて、10月25日の第18戦アメリカGPに向けて追加のアップデートを配布する予定だ。そのため、今週末のシンガポールGPでは、セパンで急きょ導入された暫定バージョンを引き続き使用する。

マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた前戦バーレーンGPでは、豪雨による40分の遅延後、フォーメーションラップ中に複数のマシンが出力を失った。停止するマシンも相次ぎ、スタート手順が中断される前代未聞の事態となった。

FIA、出力低下は「250kWの出力低減」が原因

FIAはシンガポールGPの開幕に先立ち、今回の問題を改めて検証し、その一部結果を公表した。目新しい内容はないが、当初は「様々な要素の前例のない組み合わせ」によって発生したとしていたものを、今回、次の表現に改めた。

「250kWの出力低減が適用されていた特定のセクターにおいて、低いエンジン回転数で走行していた一部のマシンに、当初の想定を超える出力の低下が発生し、その区間内でその低下分を取り戻すことができなかったことが確認された」

安全上の理由から、特定のセクターではMGU-Kの出力が350kWではなく最大250kWに制限される。セパンではターン4~7、ターン9~14がこれに該当しており、問題が発生したのはこの区間に含まれるターン9だった。

FIAはスタート手順の中断から5分以内に「原因を特定」し、ソフトウェアのアップデートを配布した。その13分後には、各チームに関連する技術的な指針と補足説明を提供。アップデートの配布から30分後には、全チームとメーカーが導入を完了した。

この暫定対応は機能し、レースは無事に開始された。

シンガポールは暫定版継続、本修正はアメリカGP

FIAは、この暫定対応は完全な解決策にはならないとみており、サーキット・オブ・ジ・アメリカズで開催されるアメリカGPに向けて「雨天用ソフトウェアのさらなるアップデートをリリース」する予定だとしている。

つまり、今週末のシンガポールGPでもセパンで使用された暫定バージョンのソフトウェアが継続使用されることになるが、10日(土)と11日(日)は雷を伴うにわか雨が予想されている。

一方、FIAは、当初のソフトウェアが導入前にテストされていなかったとの見方に反論した。元の仕様については、シミュレーションによる検証に加え、第10戦ベルギーGPおよび第12戦オランダGPのフリー走行1回目(FP1)でテストを実施していたという。

FIAはアメリカGPに向けた追加アップデートの作業を進めるとともに、今後は可能な範囲でこうしたソフトウェアのテストをさらに充実させ、信頼性を高める方針を示している。